箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
大学駅伝、個人戦シーズンの“横綱”はだれ?…田澤廉・三浦龍司・ヴィンセント、箱根駅伝ランナーの“春場所番付”を考えてみた
text by
酒井政人Masato Sakai
photograph byYuki Suenaga
posted2022/04/16 11:04
これから春のトラックシーズンに入る大学陸上。誰が“個人戦シーズン”を制するのか?
4度激突して3勝1敗 横綱はやっぱり“この2人”だった
横綱は田澤廉(駒大4)とイェゴン・ヴィンセント(東京国際大4)だ。
田澤は昨年5月の日本選手権10000mで2位(27分39秒21)に食い込むと、12月の日体大長距離競技会10000mでオレゴン世界選手権の参加標準記録(27分28秒00)を突破する27分23秒44(日本歴代2位・日本人学生最高)をマーク。今年の箱根駅伝はヴィンセントを抑えて花の2区で区間賞を獲得した。
一方、箱根駅伝の2区と3区で区間記録を保持するヴィンセントの自己ベストは5000mが13分15秒15、10000mは27分24秒42。ラスト1周のキレはないものの、駅伝の走りを考えると10000mで26分台を狙えるような走力がある。
両横綱は学生駅伝で4度激突して、ヴィンセントの3勝1敗。トラックでは昨年12月の10000mは田澤が競り勝ち、今年4月9日の金栗記念選抜中長距離5000mでは学生歴代8位(日本人学生歴代6位)の13分22秒60をマークした田澤にヴィンセントが先着している。なお現時点でオレゴン世界選手権10000mの参加標準記録を突破している日本人選手は田澤のみ。5月7日の日本選手権10000mで「3位以内」に入ると日本代表が内定する。
【番付表発表】学生ランナーたちの“個人戦”も楽しもう
上記の30人以外にも好選手がそろう青学大勢と駒大勢、5000mと10000mで好タイム(13分41秒71、28分19秒01)を持つ野村優作(順大4)、昨年のトラックシーズンでマルチな活躍を見せた菖蒲敦司(早大3)、箱根1区で区間4位と好走した木村暁仁(専大3)など楽しみな選手はたくさんいる。また10000mで28分09秒06の樋口翔太(日大4)、同28分20秒台の東農大3年生コンビ(高槻芳照、並木寧音)ら箱根駅伝不出場校のエースたちにも注目したい。なお学生ハーフを制した平林清澄(國學院大2)はワールドユニバーシティゲームズ(ハーフ)に照準を定めているため、番付表から外している。
今シーズンは4月15~17日にワールドユニバーシティゲームズの代表選考会となっている日本学生個人選手権があり、5月7日に日本選手権10000m、5月19~22日に関東インカレ、6月9~12日に日本選手権、6月30日~7月5日にワールドユニバーシティゲームズ、7月15~24日にはオレゴン世界選手権が開催される。
近年は“高速スパイク”の影響もあり、トラック種目でも好タイムの期待は十分。学生ランナーたちの“個人戦”を楽しみにしたい。