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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「カマダはコンスタント、ハセベは…」2人を高評価する34歳“若者言葉”の世界的名将が、バイエルンで「人心掌握」できるワケ
text by
アレクシス・メヌーゲAlexis Menuge
photograph byGetty Images
posted2022/04/03 06:01
バイエルンのナーゲルスマン監督
1対1の話し合いを継続しつつ、チームの前で高い要求を
――あなたはドイツ版『Sports Illustrated』誌のインタビューで「人と向き合ったり、チームの前で話すときには『共感力』が最も大事だ」と言っていましたね。共感の例を教えてくれますか?
「最近ではダヨ・ウパメカノが試合でいくつかのミスをし、パフォーマンスを落としてしまっていた。ライプツィヒ時代から彼のことをよく知っており、彼がどう感じているかもよくわかっていた。
1対1の話し合いを継続しながら、チームの前で彼に高い要求をした。同時にこれは、他の選手へのメッセージでもある。それを聞いた他の選手が、自分もすべてを出さなければならないとプロ意識を高める効果を期待できる」
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――あなたはアウクスブルクのセカンドチーム時代、トーマス・トゥヘル監督のもとでプレーしていました。負傷で引退を余儀なくされたとき、彼の誘いで分析担当コーチになりましたね。彼から何を学びましたか?
「チームの前でどう振る舞うか、どう話すかといった、リーダーシップを学んだ。サッカー面では、戦術練習の設計の仕方に関して影響を受けたよ。トーマスの戦術練習は試合を想定していて、すごく具体的なんだ」
――トゥヘルはさまざまな形のフィールドで練習することで有名ですが、あなたも一風変わったフィールドを用いていますね。たとえばバイエルンでは、ゴールに向かってピッチの角を切り落とした『ダイヤモンド型』のフィールドが話題になりました。
「サイドへ遠回りせず、ゴールに向かって速く攻める意識を持たせる意図がある。速くアクションを起こし、相手を急襲する習慣をつけるためだ」
――ホッフェンハイム下部組織のコーチ時代は、ラルフ・ラングニックがトップの監督を務めていました。彼からは何を学びましたか?
「ラルフは戦術のマエストロだ。特に戦術について学んだ。彼はプレッシングとゲーゲンプレッシングについてすべてを知っている。そしてヨーロッパの中で、中央エリアの縦に速い攻撃にいち早く取り組んだ先駆者のひとりだ。当然、その影響も受けたよ」
カマダはコンスタント、ハセベは……
――現在、長谷部誠、鎌田大地(ともにフランクフルト)、遠藤航(シュツットガルト)、奥川雅也(ビーレフェルト)など、8人の日本人選手がブンデスリーガ1部でプレーしています。印象に残っている選手はいますか?