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フィギュア選手の親ってやっぱり大変? 本音を聞いた「スケート靴11万円、衣装4万円」「個人レッスン料30分約5000円」「片道40分を週3回」 

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沼澤典史

沼澤典史Norifumi Numazawa

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posted2022/03/04 11:02

フィギュア選手の親ってやっぱり大変? 本音を聞いた「スケート靴11万円、衣装4万円」「個人レッスン料30分約5000円」「片道40分を週3回」<Number Web> photograph by Getty Images

習い事としても人気が高まるフィギュアスケート。「お金がかかりそう」「親の負担が重そう」という印象があるが実際のところはどうなのだろうか?(※写真はイメージ)

「アメリカではアイスホッケーなどウィンタースポーツが盛んで、人口あたりのスケートリンク数は多く、通年のリンクがあちこちにあります。私の娘は5歳からスケートを始めて、シカゴの自宅から徒歩5分のリンクで練習していました。アメリカの大学入試においてはスポーツの経験も重視されるため、ほとんどの家庭では子どもに小さいころから運動をさせます。その中のひとつの選択肢としてフィギュアスケートは一般的な存在で、アメリカの競技人口は20万人と言われています。日本でたとえるならピアノ教室に通わせるような感覚で、アメリカではフィギュアスケートを習わせるのです」

 梅田氏の娘さんは、毎年夏に長野県の野辺山で開催される、フィギュアスケートの有望な新人を発掘するための合宿、いわゆる「野辺山合宿」に招集されたほどの腕前。来日時には高田馬場のシチズンプラザ(昨年1月閉館)で振付師としても著名な川越正大コーチの指導を受け、6~8月の夏休みにはシカゴで朝から夕方までみっちりとスケートのサマーキャンプに参加していたというから、練習環境はベストに近いだろう。

「ふだんのシカゴでの生活は、朝5時半頃に娘が勝手に起きてリビングでウォーミングアップしているので、私は7時にリンクに送っていくだけ。8時になったらまた迎えに行って、そこから小学校に連れて行く。スケートをやっているなら体育の授業は受けなくていいという制度の学校でしたから、13時に迎えに行って、またリンクに連れて行く。その繰り返しでした」(梅田氏)

 やはり、毎日の練習が物を言うスポーツゆえ、自宅とリンクの距離が近いと、スケーター本人にとって有利だし、それを支える家庭にとっても大助かりだ。かたや日本の多くの家庭では、トップクラスのレベルでの練習を求め、通年リンクがある地域や海外に長距離移動せざるを得ない。日本のリンク不足は、改善が求められよう。

「週1回の教室であれば、月数千円~1万円で楽しめる」

 リンク関連以外での保護者の負担としては、まず、スケート教室の月謝が挙げられる。

「週に1回のスケート教室に通う程度であれば、月数千円~1万円ほどで楽しめます。我が家も最初はその程度でした。ただ、級(※)を取得する際にスケートクラブへ所属することが多く、そのぶん練習時間も増えるため、練習費用は上がります。それぞれのクラブやコーチによってレッスン内容や月謝は異なるので、クラブに問い合わせてみるとよいと思います」(前出・田中さん)
<※フィギュアスケートの試合に出場するための資格であるバッジテスト。初級から8級があり、級によって出場できる大会が変わる(8級が最高位)>

 たとえば、明治神宮外苑アイススケート場で行われているスケート教室のジュニアクラス(小中学生が対象)であれば、入会金は税込み5500円で、毎週1回45分の練習を2カ月実施するコースが税込み1万8880円。そこで練習を積んでスケートクラブに入るのであれば、入会金が税込み5万2380円で、初級の小学生に毎週1回45分の練習を1カ月実施するクラスの月謝が税込み1万4260円だ。

【次ページ】 個人レッスン料はどのくらいかかる?

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