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フィギュアスケートPRESSBACK NUMBER
フィギュア選手の親ってやっぱり大変? 本音を聞いた「スケート靴11万円、衣装4万円」「個人レッスン料30分約5000円」「片道40分を週3回」
posted2022/03/04 11:02
text by
沼澤典史Norifumi Numazawa
photograph by
Getty Images
北京五輪のフィギュアスケート男子では鍵山優真選手が銀メダル、宇野昌磨選手が銅メダルに輝いた。さらに惜しくも4位となった羽生結弦選手も転倒しながら世界で初めて4回転半ジャンプが認定され、女子でも坂本花織選手が銅メダルを獲得。日本人選手の活躍が目立った。
彼らの姿を見て、フィギュアに興味を持った子どもたちはきっと少なくないだろう。見るとやるのとでは大違いとよく言われるが、華やかなフィギュアスケートゆえ、「お金がかかりそう」「親の負担が重そう」とのイメージばかりが先行しがちだ。そこで今回は、フィギュアスケートのレッスンを受けている子どもを持つ親たちに、本音を聞いてみた。
「クルマで片道40分の送迎を週3回」
フィギュアスケートは人気スポーツでありながら、日本の練習環境は整っていると言うには程遠い。羽生結弦選手の平昌五輪での演技を目にしていたく感動し、以来フィギュアスケートの練習に励む息子さんを持つ田中里美さん(仮名)に聞いた。
「クラブの練習は一年中、ほぼ毎日あります。ただ、自宅からリンクが遠く、かつ学校との兼ね合いで練習時間に間に合わないこともあるので、練習できるのは平均して週に3~4日です。息子はまだひとりで電車を乗り継いでリンクまで通えないため、その都度、私が送迎をしています。平日は仕事の間を縫って連れて行き、帰ってきたら仕事を再開するという生活です」
「marubutsu(まるぶつ)」の屋号で、手作りのフィギュアスケートの練習用スカートをネット販売している柳田智子さんには、小学2年生で浅田真央選手に憧れてフィギュアスケートを始めた高校生の娘さんがいる。現在は、クルマで片道40分の送迎を週3回こなしているという。
「一年を通して平日の早朝と隔週土曜日の早朝、平日の夕方から夜にかけての時間帯が練習の枠になっていて、週5~6コマあります。娘の学校や私の予定とのかねあいもあるので、参加するのはそのうち週3回。練習は1時間ほどなので、終わるまで車内で待っています。娘が小中学生時代に住んでいた石川県のリンクは通年営業をしていなかったため、夏になると愛知県や長野県、埼玉県、東京都などの練習できるリンクに出向いていました。そのたびに交通費や宿泊費、運転の負担が大きく、金銭面でも体力面でも大変でした。それを思うと、通年のリンクがある地域とない地域とでは、練習環境に雲泥の差があります」
アメリカでは徒歩5分も…「ピアノ教室に通わせる感覚」
どちらも、自宅近隣にリンクがないため、送迎が大きな負担になっているようだ。アメリカ在住のスポーツジャーナリスト梅田香子氏は、日米のリンクで娘さんにスケートを習わせた子育て経験をもとに、こう話す。