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森保監督が久保建英をスペインまで見に来たのに…45分で交代 カメラマンが「終盤までいれば」と心残りを感じた理由
posted2022/02/26 11:03
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
スペインを中心にヨーロッパ各国でフットボールの撮影をする日本人フォトグラファー中島大介氏。日本代表の森保一監督が視察したベティス戦の久保建英について、現場の空気を臨場感たっぷりにお届けする。
前節勝利の立役者・久保はこの日も先発だった
2月20日、リーガ25節ベティス対マジョルカ戦の撮影のため、セビージャを訪れました。スペイン南部、アンダルシア州の州都であり、日本人がスペインにイメージする、灼熱の太陽、フラメンコ、闘牛など、その多くがアンダルシア由来です。
この日も最高気温は20度を超え、5万人近くのサポーターの中には半袖姿もちらほら見られました。
また、陽気な人が多いと言われるように、普段よりも「写真、撮って」という声がけが多かったように感じました。
タクシー運転手もあっけらかんと自身の人生とサッカーについて語ってくれました。3人目の奥さんがいるという彼曰く、街におけるベティコ(ベティスファン)とセビジスタ(セビージャファン)の比率はだいたい同じとのこと。
親子でもどちらを応援するか別々のことも普通。自身はサッカーはそんなに興味がないけど、1人目の奥さんが熱狂的ベティコだったため、ベティスファンになったのだとか。
前節、終了間際のシュートから相手のオウンゴールが生まれ、劇的勝利の立役者となった久保はこの日も先発。また、久保以外も前節から1人の変更のみと、ここにきてようやくメンバーが固定できつつあります。
森保監督が久保のプレーを見つめる中で
ベティスは現在リーガ3位、ヨーロッパリーグも勝ち進んでいる好調のホームチームを相手にマジョルカも真っ向から勝負に出ました。ダニやムリキがシュートチャンスに絡み、右サイドで出場の久保は、相手の左サイドバック、アレックス・モレノと激しい攻防を繰り広げます。
前半の中盤にかけてはベティスが優位に試合を進める中でも、サイドで起点になった久保は、DFの間を突くように浮かせたボール、またDFのタイミングをずらしたグラウンダーの速いクロスなどを見せました。
会場には日本代表監督・森保一氏の姿が見られ、マジョルカでの久保の様子を見つめます。
中に絞って久保がボールを受ける際にも、アレックス・モレノは素早くプレスを仕掛けてきました。さらに久保も、自陣深くまで戻って守備に追われる時間が増えました。