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「アイツはもう役者じゃない」と言われても… 萩原聖人が俳優と麻雀の“二刀流”に挑み続ける理由「競技としての地位を上げたい」 

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曹宇鉉

曹宇鉉Uhyon Cho

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photograph byYuki Suenaga

posted2022/02/20 17:04

「アイツはもう役者じゃない」と言われても… 萩原聖人が俳優と麻雀の“二刀流”に挑み続ける理由「競技としての地位を上げたい」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

現在も多くの映画やドラマで活躍する萩原聖人。アイドル的な人気を博した若手時代から、その演技力は高く評価されている

「それぞれ異なるルールを採用した団体が複数存在することで、スターが生まれにくくなっている部分はあると思います。今後、若い人がMリーガーを目指して麻雀プロになろうとしても、そもそも『どの団体に入ればいいの?』で悩んでしまう。そういった状況は競技としてどうなのか、という疑問は常にあります」

「麻雀界の藤井聡太」を育てるために

 鳴り物入りでMリーグに参戦し、俳優としての知名度を生かして麻雀界の隆盛に寄与してきた萩原。だが本人は「僕なんかは本当のスターじゃないんですよ」と現状を冷静に分析した。

「僕の場合は俳優をやっていたおかげで顔と名前を知られているだけで、麻雀の実力で知名度を獲得したわけではありませんから。一方で麻雀界を代表する打ち手である多井隆晴選手(渋谷ABEMAS)にしても、佐々木寿人選手(KONAMI麻雀格闘倶楽部)にしても、二階堂亜樹選手(EX風林火山)にしても、やっぱり全国区ではない。将棋界における羽生善治さんや藤井聡太さんクラスの人が、残念ながらまだ麻雀界にはいないんです」

 さらに大谷翔平や田中将大の名前をあげながら、「スターを育てるシステムを整備しなければいけない」と力説する。

「大谷選手にしたって田中選手にしたって、多くのスターは幼少期からハイレベルな環境で競争に勝ってきた人たちじゃないですか。各麻雀団体もMリーグも、まだそういう存在が生まれるところまで行けていない現実がある。Mリーグは4シーズン目になりましたが、満を持して『この選手は絶対にドラフト指名されるべき』と言い切れる選手がいたのか、各団体が1年目からそのための環境づくりや努力をしてきたのか、と考えると……」

 ひとりの打ち手であると同時に、麻雀やそこに携わる人々への思い入れゆえに、萩原は「どうしても業界全体のことや、50年後の麻雀界がどうなっているのか、みたいなことを考えてしまう」という。そんな自身の“性”を、愛読している人気漫画『僕のヒーローアカデミア』のキャラクターになぞらえて「気持ちだけはオールマイトなんです」と笑い飛ばした。

「麻雀界にはまだまだ足りないピースがたくさんあります。僕だって『麻雀=頭脳スポーツ』だと思われたいですし、もっともっと競技としての地位を上げていきたい。ひとりでも多くのプロが専業で生活できるようになってほしい。そこにたどり着くためにしばらく苦難の道が続くかもしれませんが、幸いにしてまだ僕にもヒットポイントが残っているので、貢献できることがあればやり続けたい。負け続けるという“特殊な訓練”のおかげで、多少のことで心は折れなくなりましたから(笑)」<前編から続く>

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俳優兼プロ雀士・萩原聖人に聞く「麻雀はスポーツ化できるのか?」“30打席連続三振”のような不条理も「決して“運ゲー”ではない」

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