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【イベントレポート】Numberビジネスカンファレンス《最強の「チーム」を創る、最高の「パフォーマンス」を引き出す 勝利の方程式》
posted2022/02/14 11:00
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
JBA / Takuya NAGAMINE
Numberビジネスカンファレンス《最強の「チーム」を創る、最高の「パフォーマンス」を引き出す 勝利の方程式》が12月16日(木)、オンラインで開催された。チームマネジメント、エンゲージメント、人材育成、データ分析、モチベーションなどの面で、ビジネスにも応用できるスポーツでの勝利の方程式についてトップ選手や指導者が考えを語った。
アジェンダI (チームマネジメント、コミュニケーション)
アジェンダII (エンゲージメント・タレントマネジメント)
アジェンダIII (DX・人材育成)
アジェンダIV (BI・データドリブン)
アジェンダV (パフォーマンス・モチベーション)
アジェンダI (チームマネジメント、コミュニケーション)
「バスケットボール日本代表‐勝利の方程式」~信じ続けることが組織を強くする~
バスケットボール女子日本代表を銀メダルに導き、2021年9月からは男子代表のヘッドコーチに就任したトム・ホーバス氏が、生島淳氏を聞き手に、チームマネジメントやコミュニケーションのポイントを語った。
「何をしてるんですか!」。試合中の叱責がメディアで話題になったホーバス氏だが、「厳しいマネジメントだけでは選手は付いて来ない。私は日本語をきれいに話せないが、言った後には選手のリアクション見て、ヘッドダウン(落ち込む)したらフォローする」とコミュニケーションの大切さを語った。
チームとして特に大事にしたのは「信じる」ことだった。女子代表チームは金メダルを目標に掲げた。「口先だけの目標は良くない。周囲は高すぎる目標と受け取ったかもしれないが、僕は心からできると信じたし、選手には「あなたはもっとできると信じているよ」と伝え続け、選手も信じてくれた。だから「決勝で米国に負けた時は本当に悔しかった」と話した。生島氏も「選手が『トムは、私が自分を信じるよりも、私のことを信じてくれた』と話していたのが印象的だった」と語る。
裏付けもあった。データを活用し、ゴールに遠い位置からの3ポイントシュートを多用する戦術は、NBA(全米プロバスケットボールリーグ)でも主流になってきたが、他国チームはゴール下で体の大きな選手に頼るスタイル。そこにチャンスがあると、選手たちに説明を尽くした。
現役選手引退後は企業で働いた経験もあるホーバス氏は「仕事はバスケほど勝敗が明らかでない難しさがある」としながらも「課題を明確にして徐々にレベルアップしていけば、チームは目標に到達できる」と強調。男子代表は、米国でプレーする選手と、国内選手が一緒に練習できない状況を乗り越えることが課題だ。「どうコミュニケーションしたらいいのかをずっと考えている。今はリレーションビルディング(関係構築)の段階」と説明した。
対談には、NBAや国内プロバスケットボールリーグのB.LEAGUE、プロ野球やプロサッカーチームなどでも使われているメッセージプラットフォーム「Slack」を提供するセールスフォース・ジャパンの佐々木聖治氏も加わった。「チャンネル(デジタル上の会議室)をベースに、動画をシェアしたり、絵文字による感情表現、オープンなコミュニケーションは、チームワークの向上にも役立つことが認められている」とアピールした。