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急逝したワグネリアンの“弔い合戦”…同じオーナー、同じ厩舎の“後輩馬”に後押し? ヨーホーレイク勝利、AJCCにはポタジェが出走

posted2022/01/22 11:00

 
急逝したワグネリアンの“弔い合戦”…同じオーナー、同じ厩舎の“後輩馬”に後押し? ヨーホーレイク勝利、AJCCにはポタジェが出走<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa/Photostud

先日急逝したワグネリアン(左)と、同じ金子オーナー、友道厩舎で日経新春杯を制したヨーホーレイク

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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Keiji Ishikawa/Photostud

 先週、1月15日に中京競馬場で行われた愛知杯(GIII)はルビーカサブランカ(牝5歳、栗東・須貝尚介厩舎)が1着でマリアエレーナ(牝4歳、栗東・吉田直弘厩舎)が2着。金子真人ホールディングス株式会社がオーナーの馬のワンツーフィニッシュで決した。そして、その勢いはこれにとどまらなかった。翌16日、同じく中京競馬場で開催された日経新春杯(GII)を同オーナーのヨーホーレイク(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)が勝利。2日連続での重賞制覇を成し遂げてみせたのだ。

 ヨーホーレイクは昨年の日本ダービー(GI)以来の出走。約7カ月半ぶりの競馬ではあったが馬体重は前走比4キロ増にとどまる508キロ。成長面を差し引いても数字面からは仕上がっていたかと推察出来た。管理する友道調教師は言う。

「今回は休み明けでどの程度出来るか、という不安がなかったわけではありません。ただ、直前の2週にわたって川田(将雅騎手)君に乗ってもらい、馬が良くなって来たという感触は得ていました」

 そもそもこれだけの長期休養になってしまった理由については次のように続けた。

「昨秋は目の外傷で使えませんでした」

 骨折や脚元の不安でなかった分、それなりに仕上がったという事か。

「ワグネリアンの一件があった直後でしたので…」

 休養前のダービーは、直線で前が壁になるシーン。それでも大きくは負けていなかった。今回の日経新春杯で1番人気に推されたステラヴェローチェ(牡4歳、栗東・須貝尚介厩舎)とも0秒4しか差はなく、仕上がりさえ良ければ逆転があっても不思議ではないと予想出来た。

「残念ながらスムーズな競馬にならず、7着に負けてしまったダービーですけど、正直、充分に勝ち負け出来ると期待をしていました。古馬に混ざっての競馬は今回が初めてでしたけど、少なくとも明け4歳とは差はないという思いはありました」

 結果、そんな算段に誤りがない事を、ヨーホーレイク自身が示してくれる。先に抜け出したステラヴェローチェを、ラスト200メートルを切ってからかわすとそのまま先頭でゴールに飛び込んだ。

「力があるところを示してくれました。今後についてはオーナーと相談してから決めるのでまだはっきりしませんが、いずれにしろGIを目指す形にはなるでしょう」

 そう続けた友道調教師は、改めて「今回は勝てて良かった」と言い、更に続けた。

「ワグネリアンの一件があった直後でしたので、やはりそのあたりは考えました」

【次ページ】 ワグネリアンと同じオーナー、調教師で臨む“弔い合戦”

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