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急逝したワグネリアンの“弔い合戦”…同じオーナー、同じ厩舎の“後輩馬”に後押し? ヨーホーレイク勝利、AJCCにはポタジェが出走
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph byKeiji Ishikawa/Photostud
posted2022/01/22 11:00
先日急逝したワグネリアン(左)と、同じ金子オーナー、友道厩舎で日経新春杯を制したヨーホーレイク
ワグネリアンと同じオーナー、調教師で臨む“弔い合戦”
ワグネリアンはご存知2018年のダービー馬。同じく金子真人ホールディングス株式会社がオーナーで、友道調教師が管理したマカヒキに続くコンビで生んだ2頭目のダービーウィナーだった。
しかし、そんな栄光をもたらしてくれたワグネリアンは、7歳となったこの1月5日、胆石による多臓器不全を発症し、現役のまま命を落としたばかりだった。つまり友道調教師にしてみると、今回の1戦はある意味、弔い合戦でもあったわけで、それを制した事に感慨深く感じたのだ。
川田将雅のポタジェ評「不思議な馬」
ところで今週末、23日の中山競馬場ではアメリカジョッキークラブC(GII)が行われる。3年前の19年にこのレースを勝ったのがシャケトラ(牡6歳、栗東・角居勝彦厩舎)だった。この馬も金子オーナーの愛馬で、続く阪神大賞典(GII)も見事に優勝した。しかし、更に次走に予定していた天皇賞・春(GI)の前の調教中に左第1指骨粉砕骨折を発症。残念ながら予後不良となっていた。
さて、そんなアメリカジョッキークラブCに同オーナーは今年、ポタジェ(牡5歳)を送り込む。そして、この馬を管理するのは先週のヨーホーレイク同様、友道調教師だ。ヨーホーレイクほどではないが、こちらも久しぶりの実戦。昨年の天皇賞・秋(GI)以来、約2カ月半ぶりのレースとなるが、指揮官は言う。
「ヨーホーレイクとはタイプがだいぶ違い、調教では動きも今一つ良く見せないし、歩様そのものも固い感じです。ただ、そんな感じでもいつも競馬へ行くと頑張って走ってくれる馬です。手綱を取る川田君も『不思議な馬』と言っているくらいなので、今回も調教自体はそれほど目立っていないけど、心配はしていません。距離は2000メートル前後がベストと思うけど、体力ではなくて気持ちで走るタイプなので、どんな距離でもそれなりにこなせるはずです。そういう意味で200メートル延びる今回も大丈夫だと信じています」
ちなみに外傷で休まざるをえなかったヨーホーレイクと違い、こちらは成長を促すためにあえて「ジャパンCや有馬記念はパスした」と言い、更に続けた。
「その成果もあってパワーを大分つけてきた感じを受けます」
ホープフルS(GI)や菊花賞(GI)でいずれも2着に善戦したオーソクレース(牡4歳、美浦・久保田貴士厩舎)ら強敵が相手となるが、先週同様、ワグネリアンが後押ししてくれるかもしれない。少なくとも侮れない存在となるのは疑いようがないだろう。注目したい。
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