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「大谷翔平の2年連続MVP」は“可能だ”と断言できる理由とは… 2021年の大ブレイクを大谷自身は「オフシーズン」に確信していた?
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笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2022/01/11 17:01

2021年の春季トレーニングで笑顔を見せた大谷翔平
21年オフに語っていた確信「自分の体になってきている」
21年の大飛躍もキーワードは健康だった。春先のオープン戦から投げては100マイル(約161キロ)を計測し、打撃では打率.548、5本塁打、OPSは驚異の1.604をマークした。好調の理由を聞くと彼の話は体調面の良さに終始した。
「去年(20年)より全然いいと思います。体調もいいです。(右肘の)患部の部分で言うと、やはり馴染んできているのか、自分の体になってきているのかなという感覚も去年より全然あるんじゃないかなと思いますね」
「去年が極端に(体重が)低かったので、体重的には元に戻った(約102キロ)のかなという感覚ですかね。特に下半身は去年は(左)膝のリハビリがメインだったので、しっかりと強化するというメニューではなかったですし、その中でしっかりと下半身は強化できたのかなと思います」
“オフの出来”がシーズンの活躍を左右する
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18年10月のトミー・ジョン手術に加え19年9月には左膝の手術も行った。その結果、18年以降、大谷のオフシーズンは常にリハビリであり続け強化には程遠かった。だが、昨オフに転換期はやってきた。体調面での不安がなくなり、自身で思い描く強化トレーニングが実現すると、シーズンは非現実的と謳われるまでになった。
大谷は自身がまだ発展途上にあるという言葉をよく繰り返す。取り戻した健康体と苦労を重ねたことで積み上げた経験値がこれからを支え、伸びしろもまだ十分にあると感じている。今季への抱負を聞かれた大谷は記者クラブでの会見で言った。
「一番は数じゃないかなと思っているので。どれくらい試合に出られるか、どれくらい打席に立てるか、どれくらい登板できるか。後はやれることをやって、良かった悪かったっていうのを自分で振り返ればいいと思っているので。健康でシーズン通して出続けることが一番かなと思っています」
健康であれば、自ずと数字はついてくる。彼なりの自信を示した言葉と感じた。