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羽生善治七冠と畠田理恵さんが挙式の神社や将棋会館で… 1月5日「祈願祭・指し初め式」を知る棋士が記す“和気あいあい”さ

posted2022/01/05 06:00

 
羽生善治七冠と畠田理恵さんが挙式の神社や将棋会館で… 1月5日「祈願祭・指し初め式」を知る棋士が記す“和気あいあい”さ<Number Web> photograph by Kyodo News

2018年の祈願祭。羽生善治二冠が将棋堂に榊を奉じる

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田丸昇

田丸昇Noboru Tamaru

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正月になると「初詣」「初売り」「仕事始め」「書き初め」「初釜」「出初め式」など、新年を祝う行事がそれぞれの世界にある。将棋界では「指し初め式」という行事が、毎年1月5日に行われるのが恒例である。例年の指し初め式の模様を紹介する。なお、2022年はコロナ禍のために簡素化されるので、次に記した本文の内容とは異なる。【棋士の肩書は当時】

 1月5日の午前11時30分。東京・千駄ヶ谷と大阪・福島の東西将棋会館に、棋士、女流棋士、プロ公式戦の担当者、観戦記者、将棋ファンなどが参集して「指し初め式」が始まる。

 東京ではそれに先立って11時から、将棋会館の向かいにある鳩森八幡神社の境内で、「将棋堂」の祈願祭が執り行われる。

 鳩森神社は平安時代の860年に創建され、千駄ヶ谷一帯の総鎮守として由緒がある。境内の小高い「富士塚」は、都内に現存するもので最古だという。

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 1996年3月に羽生善治七冠が女優の畠田理恵さんと挙式した神社としても知られている。また、人気ドラマ『ロングバケーション』で主演した山口智子がキムタク(木村拓哉)に贈ったお守り札を発行していた。

 写真は、1986年に建造された将棋堂の正面。奉納されている「王将」と彫られた大きな置き駒は、大山康晴十五世名人の書による。外側には駒形の絵馬が掛けられ、将棋の上達、家内安全、志望校への合格などを願う文言が書かれている。

 写真は、将棋堂での祈願祭の光景。鳩森神社の宮司が祝詞を読んだ後、居並んだ主だった棋士たちが榊を奉じて、将棋界の隆盛を祈願する習わしである。

 11時30分からは、将棋会館4階の特別対局室で「指し初め式」が始まる。日本将棋連盟の会長が年賀の挨拶を述べた後、中央に置かれた1面の将棋盤で、出席者たちが1手ずつ指し継いでいく。いわば「リレー将棋」である。

 盤の前に最初に座るのは、時の竜王、名人の棋士、連盟会長という例が多い。その後は、特に順番はない。盤の近くに座っている人から、順繰りにペアで交代していく。棋士以外の出席者もいるので、通常は絶対にありえない対局光景が見られる。

 写真は、2016年の指し初め式の光景。連盟会長の谷川浩司九段の前に座っている女の子は、連盟の子ども将棋教室に通っている児童。その可愛い対局姿を棋士たちが微笑ましい表情で見ている。右から、渡辺明竜王、郷田真隆九段、森内俊之九段、青野照市九段、島朗九段、佐藤康光九段など。

【次ページ】 肩書や棋力に関係なく、和やかな雰囲気で指し進められる

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