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「家事は女性がやるもの…だった」Jリーガー大久保嘉人39歳の価値観が激変…9歳の三男と“大阪2人暮らし”で「得意料理は魚の煮付けです」
text by
栗原正夫Masao Kurihara
photograph byKatsuyuki Masuda（SIGNO）
posted2021/12/05 11:03
今季で現役引退を決めた大久保嘉人。今年、小4の三男・橙利（とうり）くんと大阪で2人暮らしに挑戦している
以前はテレビのリモコンさえ自分で取らなかった
家族と暮らしていたときは、子どもの面倒はよくみるが、家事には無関心。テレビのリモコンでさえ自分では取らない、九州男児っぷりを発揮していた。だが、頼りにしていた莉瑛さんはおらず、自分がやらなければ誰もやってくれない。
朝7時に起きて朝食を用意。橙利くんを起こし、8時前には学校へ送り出す。その後、自分の練習に向かい帰宅すると、こんどは橙利くんをサッカースクールへ送り出し、食事の買い出しを済ませ、夕飯を準備する生活だった。
「宿題は？」「忘れ物はないか？」自分のことだけでなく、息子の様子もいままで以上に気にかけるようになった。
父子2人での生活でいちばん大変だったのは食事と洗濯だったと振り返る。
「最初の頃、料理は楽しいと思ってやっていました。スーパーに買い物に行って、好きな食材を買って、好きなものを作って食べるわけですから。ただ、試合が続いて忙しいときは毎日作るのは大変。だから、そういうときは外食に行ったり、ウーバーイーツで頼んだり自分が疲れないように要領よくやっていたつもりです。普通はできない？ ただ、子どもは食べさせないとどんどん痩せていってしまいますからね。そういう状況に追い込まれれば、誰だってやりますよ」
夕飯が“目玉焼きと冷ややっこ”の日も
一般的な父と息子、男の2人暮らしを想定するなら、そう難しく考えることはないのかもしれない。ただ、大久保は39歳までJリーガーとして第一線で活躍してきて、J1通算最多得点記録まで樹立したトップ中のトップ選手である。
スポーツ選手といえばプレーだけに集中し、食事から睡眠、細部にまで意識高く、注意を払っているようなイメージもある。家事との二足のわらじがプレーに影響することはなかったのだろうか。
「自分の場合は、全然影響なかったですね。家事で、疲れたと感じたこともなかったですし。監督によってはこんな生活していたら怒られるのかもしれないですが、オレは本当にオンとオフがはっきりしていてサッカーはサッカー、家は家って感じで、神経質でもなければ、大変だと感じたこともないです。仮に家事で疲れたとしても、サッカーのときはまた違う力が出てくるっていうか。
たとえばオフに自主トレなんてほとんどやったこともなければ、もともと食事だってカップラーメンは食べるし、食べたいときに食べたいものを食べるという生活でしたから。そうしないと逆にストレスが溜まってしまい続かないタイプなんですよ。だから、橙利と暮らしていても、買い物に行くのが面倒になって夕飯が目玉焼きと冷ややっこってときもありました。ご飯に目玉焼きと冷ややっこをかけたらめっちゃうまいし、それで全然大丈夫です（笑）」
ピカチュウ弁当は「ぐっすり寝られなかった」
5月には自身のインスタグラムに橙利くんのために作った「ピカチュウ」のお弁当の写真をアップし、そのクオリティの高さもあって、2.8万いいね！がつき、話題になった。
