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ダルビッシュ所属のパドレスが異例の監督引き抜き… “松井秀喜とNYで寿司を食べた男”ボブ・メルビンとは何者か

posted2021/11/05 11:00

 
ダルビッシュ所属のパドレスが異例の監督引き抜き… “松井秀喜とNYで寿司を食べた男”ボブ・メルビンとは何者か<Number Web> photograph by Getty Images

今季はアスレチックスをア・リーグ西地区3位(勝率.531)に導いたメルビン監督。11月1日に就任会見に臨んだ

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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 今季、ナ・リーグ西地区の優勝候補に挙げられながら79勝83敗と負け越したパドレスが11月1日、ボブ・メルビン新監督の就任を発表した。シーズン終了後、成績不振の責任を問う形でジェイス・ティングラー監督を解任。後任として白羽の矢を立てたのが、メルビンだった。就任会見に臨んだAJ・プレラーGMは、「ボブがリストのトップだった」と、最有力候補として交渉を進めた経緯を明かした。

 もっとも、実情はメジャーでも異例とも言える監督の「引き抜き」だった。2011年途中からアスレチックスの監督を務めてきたメルビンは、今季で契約満了だったものの、シーズン途中に球団側がオプション(選択権)を行使することを決定し、来季も続投することが既定路線となっていた。それでも、メルビンにラブコールを送るパドレスの熱意に折れたアスレチックスが、交渉を許可。3年契約で就任が決まった。

 プレラーGMは「(アスレチックスは)ボブにとってベストであることを望んだと思うが、この業界でめったに聞くことではない。アスレチックスに敬意を表したい」と、「引き抜き」を承諾したアスレチックスへ感謝の言葉を残した。

最優秀監督賞3度の手腕

 2003年、マリナーズの監督に就任したメルビンは、その後、ダイヤモンドバックス、アスレチックスと渡り歩いて計18年間にわたって指揮を執り、その間、ポストシーズンに7回導き、2007年にはナ・リーグチャンピオンシップシリーズに進出した。いずれも低予算のチームを率いながら、優秀な手腕と統率力を発揮し、2007年、2012年、2018年には最優秀監督賞に選出された。

「このチーム、この街、この組織にとって次に大事なことは、ポストシーズンに進出して、勝ち進み、ワールドシリーズで勝つことだ。どれほど勝ちたい熱意があることか、私自身の道筋もそこにある」

 日頃は温厚で人当たりの柔らかい紳士として知られる一方、試合になると退場も辞さないほど審判へ猛抗議をする情熱家。かつてのオールドスクール型の戦術と、近年のデータ分析をバランス良く取り入れ、スーパースターは不在でも、投手力を軸とする、しぶといチームを作り上げてきた。

【次ページ】 ディフェンス重視の野球で捲土重来なるか

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