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《ラグビー新リーグのチーム名が長すぎる》問題…「トヨタヴェルブリッツ」に“地域名”(必須事項)は入っていると言えるのか?
posted2021/11/01 06:00
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph by
Nobuhiko Otomo
長すぎる。区別がつかない。一貫性がない……。散々な評判である。トップリーグにかわり来年1月に開幕する「リーグワン」の各チーム名のことだ。10月4日に行われた日程発表会見。待ちに待った発表だが、日程表を見ても、肝心の対戦カードが全然頭に入って来ない。
チーム名になじみが薄いのはやむを得まい。Jリーグ誕生時も、最初は当惑の声も多かった。だが慣れるのに時間はかからなかったし、そこには理念があった。企業名を入れず、メディアは地域名で、ファンは愛称で呼ぶ。一部オーナーからは反発もあったが、そことの戦いでリーグの掲げる理念はむしろ広く周知された。
対してリーグワン。チーム名には「地域名は入れる。企業名は入れても可」とされたが、地域名に似て非なる会社の略称をそのまま入れているチームが複数あるのは解せない。
象徴は「トヨタヴェルブリッツ」。リーグワンの東海林専務理事は「トヨタも地域名という認識です」と話したが、ならせめて「豊田」とするべきだ。メディアは原則として地域名を略称として報じるが、地域名を入れず社名を冠したチームだけが宣伝効果で得をするのはズルいし、メディアがそれを手伝うのも違うと思う。不義が通れば他もマネるだろう。その片棒は担ぎたくない。無論チーム名が豊田になればそう表記したい。
長いチーム名ばかりになった背景には…
長いチーム名が多い背景は分かるつもりだ。新リーグ設立にあたり地域性、社会性と向き合ったチームは複数の自治体と協力を模索した。「東京ベイ」を名乗った2つのチームはそれぞれ千葉県の都市名を入れた。たくさんの要素が詰め込まれたチーム名は、真摯な姿勢の反映ともいえる。
だがこれは逆効果だ。メディアの間ではすでに、どうチーム名を出さずに書くかという工夫が始まっている。読者に届けたいのは情報でありスペースは有限なのだ。
当欄は苦肉の策として、企業名抜きの略称を6文字以内で考え、1部12チームを開幕節対戦順に並べてみた。船橋―埼玉、東葛―横浜、東京サン―東京ルーパス、神戸―浦安、ヴェルB―静岡、大阪レッド―東京ラムズ。いかがでしょう? 実はすでに一定期間後の改称を見越しているチームもあるという。だったらどうぞ早めに、極力短く、イメージの湧く名に。その連鎖を切望する。