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【秋華賞】ソダシにとって直線短い“阪神内回り”は絶好!須貝師「もっと“つよかわ”に」…名オーナー同士の“牝系対決”にも注目
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2021/10/16 17:02
札幌記念で古馬強豪たちを下し、地力の高さを見せつけたソダシ。秋華賞では、再びオークス馬ユーバーレーベンらと激突する
二冠を狙うユーバーレーベンの状態は?
ソダシの二冠制覇(阪神ジュベナイルフィリーズを加えると三冠だが)に待ったをかける一番手は、同じくここで二冠制覇を狙う、オークス馬のユーバーレーベン(父ゴールドシップ、美浦・手塚貴久厩舎)である。
札幌2歳ステークス2着、アルテミスステークス9着、阪神ジュベナイルフィリーズ3着と、ソダシとは3戦全敗で迎えたオークスで力強く伸びて優勝。新馬戦以来の2勝目が、ゴールドシップ産駒として初めてのGI勝利となった。
しかし、レース後、屈腱周囲炎が判明し、休養に入る。患部は順調に回復したが、エネルギー充填のための休養とは明らかに異なる休みとなった。それもあって、「今回はアウェーの戦いになると思います」と手塚調教師は慎重な口ぶりだった。
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13日に美浦のウッドチップコースで行われた追い切りでは併せた相手に先着。「レースに向けてポジティブになってきています」と手塚調教師のトーンも変わってきた。
小回りの阪神内回りという舞台設定は先行力のあるソダシに有利だが、この馬の瞬発力を引き出す術を熟知しているミルコ・デムーロが、また大仕事をやってのける可能性は少なくない。
金子血統vs岡田血統による「牝系対決」
さて、ソダシが属する牝系の白毛としての「牝祖」は、突然変異で白毛として誕生した2代母(母方の祖母)のシラユキヒメである。この馬を金子真人オーナーが所有し、それに、これも自身が所有したキングカメハメハを配合して生まれた母ブチコに、またも自身が所有した父クロフネを付けてソダシが誕生した。つまり、ソダシは「金子血統」の馬なのである。
それに対して、ユーバーレーベンは、まず、3代母のマイネプリテンダーを、馬主の株式会社サラブレッドクラブラフィアンを創設した岡田繁幸氏が輸入。そして、2代母マイネヌーヴェルに自身が導入したロージズインメイを配合し、母マイネテレジアに、同じく自身が導入したゴールドシップを付けて誕生した「岡田血統」の馬だ。
そう、白毛の桜花賞馬vs青鹿毛のオークス馬による「白黒対決」は、金子血統vs岡田血統による「牝系対決」でもあるのだ。