大山加奈のVolleyball is Life BACK NUMBER
ブラジルでは子どもにバレーを教えない? “育成のエキスパート”に聞いた日本が投資すべき世代とは「大切なのは“任せる”こと」
text by
大山加奈Kana Oyama
photograph byKiichi Matsumoto
posted2021/10/14 11:00
ブラジルバレーの育成に長く携わってきたマルコス氏(右)。現在はVリーグ・埼玉上尾メディックスの指揮を執り、リーグ開幕に向けて準備を進めている
コーチングで一番大切にしていることは?
大山 改めてお伺いしたいのですが、マルコスさんがコーチングをする上で一番大切にしていることは何ですか?
マルコス それは難しい質問で、1つだけには絞れませんね(笑)。でもあえて挙げるならば、「新しいことを取り入れることに恐怖を持ってはいけない」ということ。選手が成長するために、監督はさまざまなビジョンを持たなければなりませんし、いつも同じことをやっていては見える世界が限られてしまう。新しいことにトライして、やってみたら意外とできた、じゃあ次はこうしてみたらいいのではないか、というひらめきやアイディアを取り入れることが大切です。
大山 コーチングをしていて喜びを感じるのはどんな時ですか?
マルコス それはもちろん、いい結果が出た時ですよ。
大山 そこは「結果」なんですね(笑)。
マルコス もちろんです。だって結果が出ないと嬉しくないですし(笑)、負けたら悲しいし、悔しい。人生においても負けて悲しくなったり、勝って幸せになることはつきもので、勝っても負けてもまた次に向かっていかなければ、成長はありません。
大山 なるほど。貴重なお話をありがとうございました。
マルコス こちらこそ。間もなく・リーグが始まります。いつでも、我々のチームへ練習に来て下さい(笑)。
(構成/田中夕子)