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《ドラフト採点》西武は左腕2人と大学No.1捕手の指名で「90点」課題山積みの12球団最低評価のパ球団は? 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph bySankei Shimbun

posted2021/10/12 17:04

《ドラフト採点》西武は左腕2人と大学No.1捕手の指名で「90点」課題山積みの12球団最低評価のパ球団は?<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

4球団強豪の末、西武ライオンズが指名権を獲得した西日本工業大・隅田知一郎(ちひろ)

東北楽天ゴールデンイーグルス 55点

 12球団の中で最も評価が難しいのが楽天の指名だった。1位吉野創士(昌平・外野手)は楽天に最も足りない右利きの強打者ではあるが、このタイプの育成にはことごとく失敗してきた歴史がある。

 大学通算32本塁打を記録した打撃が魅力の2位安田悠馬(愛知大・捕手)は左の強打者だが、センバツ大会で三塁打を打ったときの三塁到達タイムが11.77秒を計測した俊足が持ち味が加わる3位前田銀治(三島南・外野手)は右打ちの強打者タイプ。確かに必要な補強だったが、25歳以下の有力な若手が早川隆久と安樂智大しかいない投手陣も補強が急務だったはず。4位以下で高校生投手が4位泰勝利(神村学園)1人だけというのは、これまで高校卒投手を育成できていないチーム事情をよく表している。

 左偏重打線の是正、大学卒・社会人出身が多い若さに欠けた投手陣の是正……等々、今の楽天にはやらなければいけないことが多い印象だ。

《指名一覧》
1位 吉野 創士・外野手(昌平高)右右
2位 安田 悠馬・捕手(愛知大)右左
3位 前田 銀治・外野手(三島南高)右右
4位 泰 勝利・投手(神村学園高)左右
5位 松井 友飛・投手(金沢学院大)右右
6位 西垣 雅矢・投手(早稲田大)右左
7位 吉川 雄大・投手(JFE西日本)右右
育1位 宮森 智志・投手(四国IL・高知)右右
育2位 柳沢 大空・外野手(日大藤沢高)右右
育3位 大河原 翔・外野手(東海大山形高)右右

風間の一本釣り、お家芸の“育成”も健在

福岡ソフトバンクホークス 80点

 抽選を覚悟した風間球打(ノースアジア大明桜)を1位で単独指名できたことが高得点の理由。ドラフト時に高く評価された高橋純平(15年1位)、田中正義(16年1位)が一軍に定着できていない現状は寂しいが、若手の本格派が毎年のようにファームから輩出されているのも事実。未完の大器、風間にとってみれば最も理想的な環境に身を置くことになりそうだ。

 2位正木智也(慶應大・外野手)は大学生だが、完成度はまだ高くない。ストレートにはめっぽう強いが緩急で攻められると確実性が薄まるというのが弱点。ただ、チーム内に慶應高→慶應大の先輩・柳町達がいるのはプラス要素だろう。プロ野球のレベルになれて、潜在能力を発揮して欲しい。

 また、3位で左腕・木村大成(北海高)が獲れたことも大きい。高校生と言っても一定の完成度があり、とくにスライダーのキレのよさには目をみはるものがある。お家芸の育成ドラフトでは14人の大量指名。ここから第2の千賀滉大、甲斐拓也の輩出をめざす。

《指名一覧》
1位 風間 球打・投手(ノースアジア大明桜高)右左
2位 正木 智也・外野手(慶應大)右右
3位 木村 大成・投手(北海高)左左
4位 野村 勇・内野手(NTT西日本)右右
5位 大竹 風雅・投手(東北福祉大)右左
育1位 藤野 恵音・内野手(戸畑高)右右
育2位 川村 友斗・外野手(仙台大)右左
育3位 井崎 燦志郎・投手(福岡高)右右
育4位 三浦 瑞樹・投手(東北福祉大)左右
育5位 田中 怜利ハモンド・投手(帝京五高)右右
育6位 加藤 洸稀・投手(滝川二高)左左
育7位 山崎 琢磨・投手(石見智翠館高)右左
育8位 佐久間 拓斗・捕手(田村高)右右
育9位 山本 恵大・外野手(明星大)右左
育10位 加藤 晴空・捕手(東明館高)右左
育11位   滝本 将生・投手(市松戸高)右右
育12位   三代 祥貴・内野手(大分商高)右右
育13位   佐藤 琢磨・投手(新潟医療福祉大)左左
育14位   仲田 慶介・外野手(福岡大)右両

【次ページ】 12球団最高の評価の理由は……

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