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〈中日ドラフト3位〉石森大誠が“独立Lで155kmサウスポー”に化けた、馬原孝浩コーチの助言「お前の球を投げていれば」
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2021/10/11 19:00
中日のドラフト3位指名を受けた石森大誠
「球速は150km/hくらい出ているが、打球がまだ前に、しかもフライで飛んでいく。それはコントロールが甘いからで、ボール3つ低く投げられたらいい。球そのものはプロの一軍でも通用する直球、変化球を持っている。馬原コーチと話しても、もう一つ大人になり切れないメンタルがやや課題か。もうちょっと大人になれば一軍でも通用するだろう。プロに早く行って、早く一軍で投げて、勝っても負けても度胸を付けたほうがいい」
目標としているのは、楽天の則本昂大投手です
速球に加えて130km/h台後半のツーシーム、カットボール、130km/h台半ばのフォークが持ち球。見極めが難しい、似たような球速の多彩な変化球が武器だ。
「目標としているのは、楽天の則本昂大投手です。あの投げっぷりがすごいと思います。今年のオールスターではものすごい球を投げていました。独立リーグからはドラフト1位は出たことがありません。その第1号になるとすればうれしいです。早くプロで投げたいですね」
166cmと小柄ながら最速152kmの宮澤怜士
「身長は多分、170cmないんじゃないか。でも、思い切りがいい」
こう細川亨監督が語るのが、右腕投手の宮澤怜士だ。1997年11月11日生まれの23歳、166cm67kg。北海道遠軽高校から東海大学札幌キャンパスに進んだ。
「小学2年生で野球をはじめ、中学では軟式。高校では北北海道大会1回戦で敗退しました。トライアウトで東海大札幌に行きましたが、落ちたら教育大に行くつもりでした。弟も教育大から教師になったので」
穏やかな口調。いい先生になりそうな若者ではある。在籍した大学では1年、4年生で神宮大会ベスト8になるなど先発投手として活躍。しかしドラフトでは声がかからなかった。
そこで熊本ゴールデンラークスのテストを受けた。
「社会人の練習会にいろいろ参加したのですが、そこでしか合格を貰えなかったんです。熊本は北海道からは遠いですが、GM補佐をしておられた香月良仁さんに見に来ていただいて、内定をいただき決心しました。この時点で、翌年は独立リーグ火の国サラマンダーズになると聞いていましたので、驚きはありませんでした」
サラマンダーズでは先発投手として安定感のある成績を残している。