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渋野日向子は「岡山県、日本の宝ですから」 亡き恩人の言葉と、1年10カ月ぶり優勝に流した涙とスマイルの裏側
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byGetty Images
posted2021/10/11 11:04
1年10カ月ぶりの優勝を果たした渋野日向子
「ンフフフ! ンウワハハハ! エッヒャッヒャ!」
と、“サザエさんみたいな笑い声”で会見の場を和ませてたり、ラウンド中に駄菓子をほおばる場面がスポーツニュースだけでなくワイドショーでも取り上げられた。このフィーバーについて渋野の母親も「普通の娘なので、もちろんいろいろと葛藤はあると思います」と話していたほどだ。
ただ、渋野自身は「シンデレラ」という表現に対して冷静に向き合い、そしてゴルフへの誠実さを感じさせる言葉と振る舞いを残している。
「プレッシャーって勝たなきゃいけないみたいな感じですよね。まあ特に勝っても勝たなくてもいいと思ってましたけど、最後のボギーの打ち方がやっぱり悔しかったかな」
このトーナメント、渋野は1打差2位タイで最終日を迎えた。14番、15番と連続バーディーで優勝争いに加わり続けたが、首位タイで迎えた最終ホールで決めたら優勝のバーディーパットを外すなど、3パットをたたいて3位に後退。プレーオフにも残れず、足早にクラブハウスに引き上げるとそこで静かに涙を流したという。
表彰式では“いつも通り”の笑顔で対応していたが、プロゴルファーとして戦う渋野のプライドが垣間見えた。
松山さんは10年出続けてやっと勝った
<名言3>
松山さんは10年出続けてやっと勝った。自分もメジャーに勝ったけど、いろんなことを経験したり、苦しんでいた人が勝つのは全然違うなって。
(渋野日向子/Number1026号 2021年5月6日発売)
◇解説◇
メジャー制覇に獲得賞金1億円突破など、旋風を巻き起こした2019年。その後は新型コロナウイルス禍による開幕延期などが影響し、周囲が期待するような結果を残していなかった。それでも2020年12月の全米女子オープンでは優勝争いに加わるなど、ここ一番での勝負強さはさすが、というものを見せていたのだが。