テニスPRESSBACK NUMBER
「ラケットを壊したことは一度もない」「YouTubeで何千ものテニス動画を」35歳ナダルが今も《新たな成功》に挑めるワケ
posted2021/10/10 17:03
text by
アレクシス・メヌーゲAlexis Menuge
photograph by
Getty Images
ラファエル・ナダルは15歳でプロになって以来、数々のタイトルを手にし、ロジャー・フェデラーとノバク・ジョコビッチとともに「ビッグ3」と呼ばれるようになった。グランドスラム優勝回数は3人とも20回で、歴代1位で並んでいる。
ナダルは今年6月で35歳。今季は8月半ばに休養を宣言したが、依然としてタイトルへの執念を失っていない。
いったいモチベーションはどこから湧き出てくるのか? 勝ち続けるためのメンタルトレーニング術、現代テニスの問題点、引退などについて話を聞いた。(翻訳:木崎伸也)
感情的になってラケットを壊したことは一度もない
――テニスではいかに感情をコントロールするかが大事だと思います。どんなメンタルトレーニングをしていますか?
「私の場合、ヨガをしたり瞑想をしたりして、試合における決定的なシーンで自分の感情をうまくコントロールできるように訓練しているんだ。
ラケットを持ったら、常にポジティブな気持ちでコートに足を踏み入れる。理想的なコンディションでないときにも、自信を持って臨むことが大事だよ」
――コートに立っているときの自分と、コート外の自分は違いますか?
「私の中では同じだ。私は競争が好きで、コートの上で自分をコントロールできる。感情的になってラケットを壊したことは一度もないし、クレイジーな振る舞いをしたこともない。私は弱音を吐かず、決してあきらめない。それが私のスポーツ全般に対する哲学だ。だから遊びで友達とゴルフやサッカーをやるときも全力でやってしまうんだ」
――どんなことで息抜きしていますか?
「テレビでゴルフを見るのが、いい息抜きになっている。ソファに座りながら、深夜まで没頭してしまうこともあるよ。睡眠時間は少なくとも5時間は欲しいけど、ゴルフ観戦で少し寝るのが遅くなるくらいなら問題ない。飲みに出かけるよりはるかに健康的な趣味だろ?」
他の選手のコピーではなく、意図を推測する
――あなたは子供のとき、他の選手のプレーを真似していましたか?