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《ドラフト隠し玉候補》“盗塁成功率8割の走り屋”と“鉄砲肩の19歳捕手”が独立L徳島に…「甲斐選手のように育成でも」 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2021/10/09 17:01

《ドラフト隠し玉候補》“盗塁成功率8割の走り屋”と“鉄砲肩の19歳捕手”が独立L徳島に…「甲斐選手のように育成でも」<Number Web> photograph by Kou Hiroo

独立リーグ徳島の村川凪(左)と古市尊。足と肩のスペシャリストとなれるか

 吉田篤史監督は村川について、このように評している。

「全くのノーマークだったけど、足の速さは目立っていた。でも、もう少し出塁にこだわってほしい。ファウルを打つ技術、ボールを選ぶ技術、打つ打たないと判断するセンスが足りない。でも最初はゼロからと思えば、ずいぶん成長した」と

 そんな村川は育成でもいいから、ドラフト指名にかかりたいとアピールしていた。

「スカウトの方からも足や肩を評価していただいたので、どういう形でもいいからNPBのユニフォームを着たいですね」

公立校出身ながら鉄砲肩を持つ古市尊

 古市尊は2002年6月15日生まれの19歳。高校は香川県立高松南高校。甲子園には縁のない公立校だが、その鉄砲肩はNPBのスカウトも注目していた。

「小さい頃から捕手をやっていたのですが、高校ではチームの都合で外野を守り、2年の秋から捕手になりました。肩はずっと前から強いと言われていましたが、NPBのスカウトの方に声をかけていただき、意識するようになりました。

 スカウトの方から“プロ志望届を出してほしい”と言われて出したのですが、指名はありませんでした。それまではあいまいな気持ちだったのですが、プロに行きたいと思ったのは、その時からですね」

 この出来事を受けて、家族と相談した。父からは「まだ可能性があるのなら野球を続けろ」と言われた。

「大学に行くことも考えたのですが、4年間真剣にできるのか。どこかで手を抜いたり、遊んだりしないか、と思いました。独立リーグならばもっと集中して頑張れる。1年で行けるのがベストだが、そうでなくても大学行くより早くプロに行ける、と思い徳島に入団しました」

 高校からいきなり独立リーグに入って、様々なギャップを感じた。本人はこう1年間を振り返っている。

【次ページ】 圧倒的な肩は入団から目立っていた

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