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《ドラフト隠し玉候補》“盗塁成功率8割の走り屋”と“鉄砲肩の19歳捕手”が独立L徳島に…「甲斐選手のように育成でも」 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2021/10/09 17:01

《ドラフト隠し玉候補》“盗塁成功率8割の走り屋”と“鉄砲肩の19歳捕手”が独立L徳島に…「甲斐選手のように育成でも」<Number Web> photograph by Kou Hiroo

独立リーグ徳島の村川凪(左)と古市尊。足と肩のスペシャリストとなれるか

「これまでは、ただ走って盗塁していましたが、橋本球史コーチに“もっとストイックに研究しろ”と言われて、スタート、スライディング、走路、すべての技術を砕いて練習して、自分なりの盗塁技術を向上させました。シーズン初めと比べても全然違うと思います」

前後期の成績を見ると村川の進化は明らか

 村川が前期と後期で全く違う選手になったのは、数字を見ても明らかだ。

前期 69打14安0本5点15盗 率.203
通算 151打40安0本15点40盗 率.265

 前期は「走るだけの選手」だったが、後期は打撃でも戦力となり、上位を打つことも多くなった。得点に絡むことも多くなり、補助戦力的な選手から、主力選手になった印象だ。通算40盗塁は、四国アイランドリーグダントツの1位だ。盗塁死は12、成功率は.800と非常に高い。

 外野手としてのスキルも上がっている。

「大学ではセンターを守っていて、今年の前期もセンターでしたが、ホームやサードで走者を刺したので、肩が強いと評価されて後期からは右翼を守るようになりました。送球の正確性や、コースに投げられることも評価されたと思います」

 ただし、進化したと言っても、課題は依然として打撃ではある。まだ力不足で長打も少ないことも自覚しつつ、その中で向上心を見せている。

「左投手は得意ではないですね。でもそれも克服して、粘っこく、簡単に三振しないバッターになりたいですね。後期には選球眼も良くなって、出塁率は上がりました」

春に比べて進化した選手は注目度が高くなる

 NPBのスカウトは、独立リーグを常時見に来るわけではない。春先に顔を出した後は、高校野球の地方大会、甲子園がある間はそちらに集中し、9月に入ると再び頻繁に見に来るようになる。そのときに春に比べて進化した選手は注目度が高くなる。

 昨年でいえば、徳島の行木俊は故障明けのため、前半戦は投げられなかったものの後半戦に快投を見せて、広島からドラフト5位で指名された。また村川のように、後半戦に伸びた選手は、注目度が高くなる。徳島からは同じ駿足タイプの増田大輝が巨人に入団して、足で活躍しているが、村川にも可能性はあるだろう。

【次ページ】 公立校出身ながら鉄砲肩を持つ古市尊

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