ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
「なぜSKE48がプロレスラーに?」東京女子・荒井優希23歳の覚悟「リングではアイドルだと思わなくていいです!」特別フォト&インタビュー
posted2021/10/08 11:02
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph by
Takuya Sugiyama
今年5月に東京女子プロレスで本格プロレスデビューをはたした、アイドルグループ「SKE48」荒井優希の評判がいい。当初は話題先行という声もあったが、167cmの長身から繰り出すダイナミックな技はもちろん、「試合中の表情もいい」と試合ごとに評価を上げている。
7月には念願の初勝利も挙げ、今後さらなる活躍が期待されているが、そもそもプロレスラーになろうと思ったきっかけはなんだったのか。そして、どのようにしてアイドル活動と両立させているのか。10月9日、東京女子のビッグマッチ大田区総合体育館大会で、タッグでのアジャコング戦という大一番を控えた荒井に、プロレスへの想いを聞いてみた。
プロレスデビューから5カ月
――プロレスデビューから約5カ月経ちましたが、いかがですか?
荒井 まだ5カ月しかやってないことにビックリするくらい毎日が濃い日々で、あたらしい経験をたくさんしたので、「5カ月」って言われると不思議な感覚ですね。
――当初思っていた以上に、しっかりプロレスに取り組んでいる印象を受けます。荒井選手自身、自分がここまで深くプロレスに取り組むようになると思ってましたか?
荒井 全然、思ってなかったです。『豆腐プロレス』(2017年に放送されたプロレスをテーマにしたテレビドラマ)に出るまではプロレスを観たこともなかったし、試合のシーンの撮影でも他のメンバーに比べてうまくできないことが多かったので、「もうやることはないんだろうな」って感じで撮影は終わったんですよ。それなのに、そのあとなぜかチャンピオンベルトを一回獲ったんですね。
――24時間365日レフェリーさえいれば誰でもどこでも挑戦できる、DDTプロレスリングの「アイアンマンヘビーメタル級王座」を同じSKE48の松村香織さんから奪取したんですよね(笑)。
荒井 その流れで、3年ぐらい前にDDTさんに出させていただいて。その時も「これが最後だろうな」と思って出たんですけど(笑)。今年に入って、あらためて本格的にプロレスに参戦するお話をいただいて、正式にデビューすることになったので。
「自分以外の誰かがやったら後悔する気がした」
――サイバーファイト社長の高木三四郎さんは、アイアンマン王者としてDDTに荒井選手が出たときから、「彼女はリング映えする」って、惚れ込んでたみたいですけど。荒井選手自身が、正式にプロレスデビューしようと決めた理由はなんだったんですか?
荒井 この話を自分が断って誰かがやったら後悔する気がしたんですよ。だから即決で「やります!」って言ったんですけど、その時はまだ、めちゃめちゃプロレスをやりたいわけではなかったんです。