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甲子園の“異変”…監督たちが悩む「打線に感覚のズレがある」 地方大会“65-0”&チーム打率5割の三重高はどう戦った?
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byKYODO
posted2021/08/21 17:03
20日に行われた三重ー樟南(2-0)。写真は2回オモテ三重高、7番宝田の先制右犠飛のシーン
沖田監督は上山の続投理由をこう説明する。
「上山には3失点まではしていいと言って送り出しました。いい形で先制できたんですけど、3点目が取れないなか、よく守ってくれた。継投も考えたのですが、2番手の辻の状態がブルペンで良くなかった。同点までは上山で行こうと思いました。上山は公式戦初完封、よく投げてくれました」
県大会のような戦い方ができない中でどう勝ちを拾っていくのか。
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沖田監督は打線のつながりで勝負して、投手も県大会の形に拘らずになんとか勝ち切る方法を選んだ。
どこも同じような苦労に直面するだろう。三重のようにバッティングの調子が上がらないのであれば打線が回るように組むこと、投手の継投も県大会の戦い方にこだわりすぎないことで勝ち切る方法を選んでいく。沖田監督は言う。
「いいあたりが正面の打球もありましたし、狙い球を絞れていない打者もいました。課題も、明るい兆しもありながらの戦いだったので、次はいい形で調整したい」
とりあえず1勝を挙げ、次へ進める。次回こそ“本領発揮”と行きたい。