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大人気のお土産自販機、“バーガー推し”レストラン、地獄のバス待ち…五輪メディアセンターはどうなってる?〈現地レポート〉
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byGetty Images
posted2021/07/23 17:02
東京・有明の五輪プレスセンター(東京ビックサイト)。内部はどうなっているのか?
これは自販機でおいそれと買える値段じゃない。家族へのお土産に考えている海外メディアも、まず家族に相談してからじゃないと買えない金額設定じゃないだろうか。
近くにいたスタッフに聞いてみたら多くの日本人メディアが自分と同じような反応をするそうだ。
「やっぱり日本人の方は値段を見るとすぐに立ち去っていきます(笑)。でも海外の人は結構買っていますよ」
確かに黄色と緑色の招き猫はすでに売り切れていた。
「あと人気なのはミニカーですね」
トミカのジャパンタクシー(東京2020モデル)のミニカーは、確かに精巧に作られている。持って帰るにもかさばらなくて良さそうだ。
「今日追加したんだけど、あっという間に売り切れてしまいました。リクエストはしているんですけど、月曜日にならないと入ってこない商品もあるんです」
と話をしていたら、新たなストックが届いた。さすがに搬入のペースを上げたのだろうか。本格的に競技が始まったら各国メディアも悠長に買い物なんてしていられない。
組織委員会の人! 今が売り時ですよ! マグカップまだ足りないよ!
なぜか“バーガー祭り”のレストラン
今大会のメディア関係者は、記者とカメラマンが4600人、映像関連が1万1900人もいるという。彼らの胃袋を満たすレストランはビッグサイトの東棟地下1階にある。
ここもグッズ同様に日本推し、和食推しなのかと思いきや、こちらは一転して“ダイナー感”の強い作り。メニューを見ても『クラシックバーガー』『フランスバーガー』『スイスバーガー』『東京バーガー』『金メダルバーガー』。一体いくつバーガーあるんだよ! とツッコみたくなるほどのバーガー祭りだ。一体何が違うんですか? と店員さんに聞いてみた。
彼女の説明によれば、フランスはクランベリーソースにディップするスタイル、スイスは予想通りというべきかスイスチーズが入っている。じゃあ東京はテリヤキ?
「いえ、ゴマだれがかかってるんです。日本人からすると微妙かもしれませんね……」
値段はクラシック以外どれも1600円。フランス人メディアが「冷たいパン、ゴムみたいな肉、汚い盛り付け」と酷評したことが話題となっていたけど、例年と変わらないように感じた。これまでの大会でも吉野家みたいに安くてうまい食事にありつけたことなんてまずない。
ソチ五輪の時には、競技会場ごとに違うメニューがあって、ジャンプ会場では日本人メディアが多いからと味噌汁を用意してくれたことがあった(味噌汁の味は薄かったけどその気遣いが疲れた体に染みた)。ただ、コロナ禍ではビュッフェ形式もできないだろうし、今回はいろいろと難しいところがありそうだ。