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《一周忌》「BMXを本当に日本で有名にしてくれた」三浦春馬と“共演”したプロライダー・米田大輔ダニエルが語る“五輪への思い”とドラマ撮影秘話 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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photograph byYumiko Yanai

posted2021/07/18 11:01

《一周忌》「BMXを本当に日本で有名にしてくれた」三浦春馬と“共演”したプロライダー・米田大輔ダニエルが語る“五輪への思い”とドラマ撮影秘話<Number Web> photograph by Yumiko Yanai

BMX大会MCの第一人者。ドラマ「ラスト・シンデレラ」のロケ地にもなった鵠沼海浜スケートパークは米田さんのホームパークだ

 だが、世界の壁は厚かった。国内でもあと少しのところで優勝できないことが続き、徐々に選手として大会に出場することから大会のコーディネートや映像出演、若手選手の育成などに活動内容がシフトしていった。

 こうした流れの中で、全日本選手権で大会MCをやるようになったのはBMXが東京五輪の新種目に決まった翌年の18年からだ。

 米田さんがモットーとしているのは、つねにポジティブな言葉を選ぶこと。選手が失敗して転んでも「さあ、ここから立ち上がるのがBMXライダーだ! もう一回、挑戦しようぜ!」と鼓舞する声が響きわたる。すると会場全体の雰囲気がどんどん盛り上がっていく。

 原点は2011年、初めて訪れたエストニアでの国際大会だった。欧米人選手が居並ぶ中でアジアからの参加者は米田さんを含めてたった2人。スタート前の緊張がマックスだった時に、BMX界では知らぬ人のいない有名MCのキャットフィッシュさんが「さあ次は日本から来た米田大輔ダニエルだ! みんな、拍手だぞ!」と高らかに紹介してくれた。

 会場が盛り上がった。観客がワクワクした目で楽しんで見てくれている空気を感じた米田さんは、100%の力を発揮することに成功した。

「良いライディングができたのはキャットフィッシュさんのお陰でした。もしMCが冷めた感じの人だったら僕はナーバスになっていて、力を発揮できなかったと思う。MCはライダーのモチベーションを上げたり、観客とライダーに一体感を持たせてくれたり、その場のすべてを一つにする、すごく重要な仕事。今、MCをやっている僕が心掛けているのは、そこにいる全員をリンクさせていい空気を作り、ライダーに良いパフォーマンスをしてもらうということです」

「春馬くんが演じてくれたことで分かってもらえるようになった」

 五輪が近づいている今、胸の奥に湧き上がっている思いがある。2013年のテレビドラマ『ラスト・シンデレラ』で“共演”した俳優の故・三浦春馬さんのことだ。

 ドラマでは三浦さんがBMXのプロライダー役。米田さんは三浦さんへのBMXの指導、スタントマン、そして実際に「米田大輔ダニエル役」としても出演するという三役を任された。ドラマは右肩上がりに視聴率が上がる大ヒットを記録した。

【次ページ】 「『ここからの俺を見てほしいな!!』と……」

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