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《一周忌》「BMXを本当に日本で有名にしてくれた」三浦春馬と“共演”したプロライダー・米田大輔ダニエルが語る“五輪への思い”とドラマ撮影秘話

posted2021/07/18 11:01

 
《一周忌》「BMXを本当に日本で有名にしてくれた」三浦春馬と“共演”したプロライダー・米田大輔ダニエルが語る“五輪への思い”とドラマ撮影秘話<Number Web> photograph by Yumiko Yanai

BMX大会MCの第一人者。ドラマ「ラスト・シンデレラ」のロケ地にもなった鵠沼海浜スケートパークは米田さんのホームパークだ

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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Yumiko Yanai

 東京五輪がいよいよ近づいてきた。今大会から加わった新種目のひとつであり、若きメダル候補・中村輪夢への期待でも注目を浴びているのが、2017年に採用が決まった自転車BMXフリースタイル・パークだ。

 複数のジャンプ台がランダムに並ぶコースで20インチの自転車を駆り、ジャンプや回転技などを競うこの種目では、試合を実況する「大会MC」の存在が欠かせない。

 そこで、18年から全日本選手権などでマイクを握るプロBMXライダーの米田(よねた)大輔ダニエルさんを取材した。米田さんは大会MCの第一人者だ。

「五輪種目になったことは、とんでもないビッグニュースでした。BMXはスポーツ性の高さと、ストリートカルチャー寄りの遊びや自由さが両立しているニュータイプの競技。こういうカッコいい競技があるということを知ってもらいたいです」

「クレイジーさや粋な感じがカッコいい」

 五輪は無観客での開催になったが、テレビ放送を通じてBMXの魅力を伝えられると、開幕の日を心待ちにしている。

 米田さんは1989年に神奈川県で生まれ、20歳でプロになり、国内外の大会で活躍してきた。米田さんがBMXパークに行き始めたのは中学2年生の時だった。子供の頃に泳いでいた鵠沼海浜公園のプールがスケートパークに替わったのを聞いて、通うようになった。そして、パークに集う友達と打ち解けていくにつれてBMXにのめり込んでいった。

 ニックネームの「ダニエル」は中学生の頃に「ダニエル」という技(前輪を浮かせて後輪だけでホップしながら移動する技)がうまかったことが由来だ。こうして訪れた中学3年生のある日のこと。

「ダニエル、今から俺が『バックフリップ(後方宙返り)』をするから、成功したらコーラをおごってくれよ」

 仲の良い年上のライダーからそう言われ、ドキっとした。バックフリップとは、ジャンプ台で踏み切り、後方に縦回転する高難度の技。転倒すればケガをするリスクがある。

「この人はコーラ1本に命を懸けるのか。やばい人だ!」

 結果は見事に成功。米田さんの目の前には涼し気な顔でコーラを飲み干すクレイジーなライダーがいた。

「BMXライダーはそのクレイジーさや粋な感じがカッコいいんです。僕もバックフリップをやりたい。すぐにそう思いました」

 高校入学後はバックフリップができるようになるために、学校に掛け合って体操部をつくってもらった。運よく体操経験のある教師がいて、その先生の指導でバック転やバック宙などアクロバットの基本を習得しながら、自転車で練習した。バックフリップができるようになったのは半年後。米田さんはこの大技を武器に、トップシーンへと駆け上がっていった。

大会MCの存在がBMXの会場を盛り上げる

 高校卒業後の19歳の時、プロクラスに昇格。その後、目標を「海外挑戦」とした米田さんは、オーストラリアに拠点を置き、海外の大会に積極的に出場した。アジア3位など、活躍の場を広げていった。

【次ページ】 「春馬くんが演じてくれたことで分かってもらえるようになった」

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