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「ダウンタウンさんや千鳥みたいには至ってない」M-1王者から11年・笑い飯に聞く、“天下を獲る”野望の達成度
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byShigeki Yamamoto
posted2021/07/16 11:03
昨年結成20周年を迎えた笑い飯の西田幸治(47歳、左)と哲夫(46歳)
哲夫 後輩とかと飲みに行く回数は少なくなりましたね。
――早く帰りたい?
哲夫 いや、帰らな、怒られる。
西田 僕は、何をするにでも家族の顔が過ぎるようになりましたね。もう下手なことはできないな、というか。あと、結婚する前までは、この仕事が嫌になったらプイと辞めてやろうと思っていたんですけど、それはいよいよできなくなったなと。
哲夫 何かやらかして謹慎になって、給料ゼロになってる場合ではないよな。
――今度の全国ツアーは、新ネタは何本作るんですか。
哲夫 2本です。あとは過去の単独(ライブ)で作って、人前でほとんどやってないものもたくさんあるので。
――笑い飯のネタづくりは、いろんな方が証言されていますが、ある種、壮絶らしいですね。夕方から明け方まで、ほとんど会話もせず、2人してずっと会議室の壁をにらみ続けていることもあるとか。
西田 そうやって、いいアイディアが下りてくるの待ってるんですよね。昔は5時間もあれば1本くらいできたんですけど。
哲夫 これまでおいしそうなところはほとんど刈り取っちゃいましたから。何も生えていないようなところでいいネタを探すのは、なかなか……。丸1日考えて、収穫ゼロなんてことはザラにあります。
西田 本番1時間前くらいまで、ああだ、こうだ、練ってることもしょっちゅうあるよな。
「霜降り明星は2人とも天才」
――話は変わりますけど、東京ホテイソンのたけるさんがネタのスタイルで迷っていたとき、西田さんにどうすればいいか相談したら「変える必要はない」と言われて迷いがなくなったと話していました。
西田 ああ、ありましたね。2018年、霜降り明星が優勝したときやったな。一緒に飲む機会があって、東京ホテイソンは霜降りとツッコミのスタイルが似ているって言われてたらしく、僕らのスタイルはもう通用しないんですかねって言うから、パッと見は似てるかもしらんけど、本質的にはぜんぜん別ものやから心配せんでエエみたいなことを言ったと思います。
――ちなみに第7世代のトップとして今、大活躍されている霜降り明星の魅力って、どこにあると思われますか。