熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
メッシ“34歳初タイトル”にネイマールが号泣のち抱き合いキス 「また一緒にCLで」「負けたのは悔しいけど…」10年超の友情が泣ける
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byAFP/AFLO
posted2021/07/12 17:04
メッシとネイマールは試合中に会話を交わし、笑顔を見せる場面もあった
アルゼンチンは、1993年以降、国際大会で準優勝はしていても優勝に手が届かず、選手も国民も非常に悔しい思いをしてきた。
それだけに、今回の優勝は大きな自信となったはずだ。戦力面では、スカローニ監督の戦術が浸透し、GKエミリアーノ・マルティネス、MFデパウル、FWラウタロ・マルティネス(インテル)らが絶対的なレギュラーとなった。このチームを土台として、今後、2022年W杯南米予選を戦いながら飛躍的な成長を遂げるかもしれない。
一方、ブラジルは2014年の自国開催のW杯準決勝でドイツに1-7という歴史的な惨敗を喫して大きな衝撃を受けたが、2016年リオ五輪優勝で自信を回復。以後、南米ではほぼ無敵で、 2022年W杯南米予選でも6戦全勝で2位のアルゼンチンに勝ち点6差をつけて首位を快走していた。
今大会でもネイマールが好調だったし、MFルーカス・パケタ(リヨン)ら若手の台頭があった。アルゼンチンに敗れたことで、「中盤が実力不足。戦術的なバリエーションも乏しい」といった批判が出ているが、この敗戦を糧として、これから目の色を変えて強化に励むのではないか。
カタールW杯、メッシは35歳、ネイマールは30歳に
アルゼンチンとブラジルが順当に2022年W杯南米予選を突破すれば、メッシは35歳、ネイマールは30歳でW杯を迎える。両国がW杯で優勝するためには、各々の背番号10の活躍が欠かせない。一方、2人にとっても、チームの主力としてW杯に出場するのはこの大会が最後となるかもしれない。
アルゼンチンは、1986年以来8大会、ブラジルは2002年以来4大会、優勝から遠ざかっている。来年のW杯で、南米の2超大国の逆襲はあるのか。そして、メッシは初めてW杯を制覇してマラドーナに追いつくことができるのか。
今回のコパ・アメリカ優勝でひとつの殻を破ったメッシとアルゼンチン、そしてこの上なく悔しい思いをしたネイマールとセレソンの今後に注目したい。
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