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メッシ“34歳初タイトル”にネイマールが号泣のち抱き合いキス 「また一緒にCLで」「負けたのは悔しいけど…」10年超の友情が泣ける
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byAFP/AFLO
posted2021/07/12 17:04
メッシとネイマールは試合中に会話を交わし、笑顔を見せる場面もあった
10年超にわたる2人の関係性を振り返ると
2人の戦い、そして共闘をあらためて振り返ってみる。
両雄が初めてピッチで相まみえたのは、2010年11月にドーハ(カタール)で行なわれた代表戦(強化試合)だった。メッシが23歳、ネイマールが18歳のときで、メッシの得点でアルゼンチンが勝っている。
2011年12月には横浜国際総合競技場で行なわれたFIFAクラブW杯決勝で対戦し、メッシの2得点などでバルセロナがサントスを4-0と圧倒した。
そして2012年6月の代表戦(強化試合)でも、メッシのハットトリックなどでアルゼンチンが勝った。
バルサ加入時、メッシからのアドバイスとは
2013年5月、ネイマールは名門バルセロナへ移籍した。フットボール王国期待の21歳ではあったが、26歳のメッシはチームの大エース。すでに、年間世界最優秀選手に4度選ばれていた。
2013-14シーズン前、バルセロナの選手たちが参加した内輪のパーティで、メッシはネイマールに近寄り、「これまでサントスでやってきたことをそのままやれば、大丈夫だ。僕に遠慮することなんて何もないよ」と声をかけた。それは、ネイマールの才能を高く評価し、彼の力がチームに必要だとわかっていたからだ。
ネイマールはメッシの言葉に感激し、常に傍らに寄り添うようになった。メッシも、ネイマールの自由奔放で明るい性格に影響を受け、以前ほど内気ではなくなった。2人は親友となり、家族ぐるみで交際するようになった。2014年にウルグアイ代表FWルイス・スアレス(現アトレティコ・マドリー)が加入すると3人は破壊的な攻撃力で世界中のファンを魅了。MSNトリオと呼ばれ、バルセロナに欧州チャンピオンズリーグ(CL)、ラ・リーガなど多くのタイトルをもたらした。
2017年8月に電撃的にバルセロナを退団してパリ・サンジェルマンへ移籍してからも(退団した理由は、同じチームでメッシの陰に隠れ続けることを嫌ったからとされる)、再三、メッシは「バルサへ戻ってこないか。欧州CLでまた優勝するためには、どうしても君の力が必要なんだ」と口説いたと伝えられている。
南米2大強国のエースという良きライバルとして
このように、2人は先輩、後輩の縦の関係からやがて同列の友人となった。その一方で、現在ではクラブでも代表でもライバルとして鎬を削っている。