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「スポンサーになってくれてありがとう!」 セレッソとサポとクラフトビール醸造所の幸せな関係「でも実は僕…」
posted2021/07/10 11:02
text by
原壮史Masashi Hara
photograph by
Masashi Hara
ディレイラブリューワークスは2018年、大阪市西成区に誕生した。代表は山崎昌宣さん。障がい者の就労支援や介護支援活動を行う株式会社シクロ(代表は山崎さん)の活動の1つだ。2021年からセレッソ大阪のオリジナルビールを醸造し、同時にスポンサーにもなっている。
関西にあるスポーツチームに同時にオファーを出した
――セレッソ大阪との関係が生まれたのはどういう経緯なのでしょうか?
山崎さん:海外ではスポーツを観戦しながらボトルビールを飲む、というのは自然な光景としてありますけど、日本はそういうのが絵になることがないよなぁ、と思っていて、やってみたいなぁと。それで、こっちにあるスポーツチームに同時にオファーを出したんです。阪神タイガースにオリックスバファローズ、大阪エヴェッサ(Bリーグ)……実はガンバ大阪さんにも(笑)。「ネーミングライツだけのご当地ビールのようなものではなく、しっかりブランディングをしていって、そこで飲むことが相応しい本当の勝利の美酒になるものを一緒に作っていきませんか?」と。それに乗ってくださったのがエヴェッサさんとセレッソさんでした。
2020年10月、セレッソよりも一足先に、エヴェッサとのコラボビール「最高ですビール(アメリカンIPA)」が登場した。ラベルに合田怜選手の姿があるそれは、いわゆる選手プロデュースメニューのような存在として売られることになった。
山崎さん:エヴェッサさんのビールは、最終的にOEMの依頼(委託醸造:相手のリクエストに応じて種類や味が決まる。いわゆるオーダーメイド)のようになったんです。一方でセレッソさんとは対等というか、お互い意見を言い合うことができたんです。
"口だけ出してお金は出さない"のは一番あかん
その関係性は、スポンサーになる前からそうだったようだ。
山崎さん:締結前、「別にスポンサーになっていただかなくても大丈夫ですよ」という言葉もいただいたんです。でも"口だけ出してお金は出さない"って一番あかんことだと思って。ちゃんと本当の意味で対等な関係であるためには、と。
そして、ディレイラはセレッソのゴールドパートナーになった。スポンサーの中にもランクがあり、ゴールドにはサントリーやキリン、竹中工務店、JR西日本など、大企業の名前が並んでいる。そこに加わる決断は、自分たちが良いと思うものを形にしたい、という気持ちの強さの表れだった。
スポンサーになったことは大正解だった。現在ある2つのビール「HIGH KICK ASS」と「HAT TRICK BERRYZ ROYALE」も、いざ商品化となる時にセレッソ側で様々な議論があったそうだ。
――たとえば「HIGH KICK ASS」という名前、あれはJリーグのチームがオフィシャルで出すものとしてはかなり攻めたものだと思うのですが。
山崎さん:そこも結構ダメ出しされたんですよ(笑)。「まいど大阪おおきにビール」みたいな方が売りやすい、という意見もありました。ボトルのデザイン(ロゴの入れ方やキャラクターの崩し方など)やネーミングもそうです。ただ、それは僕たちがやりたいことではなくて……。