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大谷翔平、3戦連発のち7失点KOも黒星つかず… 黒田博樹「怖くて仕方なかった」、田中将大も戦ったヤンキースタジアムの魔性

posted2021/07/01 17:01

 
大谷翔平、3戦連発のち7失点KOも黒星つかず… 黒田博樹「怖くて仕方なかった」、田中将大も戦ったヤンキースタジアムの魔性<Number Web> photograph by Mary DeCicco/Getty Images

1回持たず今季最短KOとなった大谷翔平だが、バットでリベンジできるか

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NumberWeb編集部

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雑誌「Sports Graphic Number」と「NumberWeb」に掲載された記事のなかから、トップアスリートや指導者たちの「名言」を紹介します。今回は大谷翔平とニューヨーク・ヤンキースで主戦投手を務めた田中将大、黒田博樹にまつわる3つの言葉です。

<名言1>
余裕と緊張感を持つ、そのバランスが重要。
(田中将大/Number873号 2015年3月5日発売)

◇解説◇
 エンゼルス大谷翔平が、ヤンキースタジアムのマウンドで洗礼を受けた。

 現地時間6月30日(日本時間7月1日)に行われたヤンキース戦、大谷は「1番ピッチャー」で先発し、今季9度目の“リアル二刀流”となったものの、初回からコントロールが定まらず5四死球2被安打7失点の大乱調。2/3回でマウンドを降り、その後も外野の守備位置につかず無念の降板となった。打者としても先頭打者のセンターフライ1打席のみで終わることになった。

 ヤンキースタジアムで結果を出す――日本の野球ファンにもその難しさを知る人は多いだろうが、実績を残し続けてニューヨーカーに実力を認めさせたのが、田中将大と黒田博樹だ。

 冒頭で取り上げたのは、田中のメジャー2年目開幕前の発言である。今季から楽天に復帰した田中だが、「24勝0敗1S」で楽天を日本一に導いた実績を手に、2014年ニューヨークへと渡った。ヤンキースで残した成績は以下の通り。

2014年 13勝5敗 136.1回 141奪三振 防2.77
2015年 12勝7敗 154.0回 139奪三振 防3.51
2016年 14勝4敗 199.2回 165奪三振 防3.07
2017年 13勝12敗 178.1回 194奪三振 防4.74
2018年 12勝6敗 156.0回 159奪三振 防3.75
2019年 11勝9敗 182.0回 149奪三振 防4.45
2020年 3勝3敗 48.0回 44奪三振 防御率3.56

 60試合制で実施された2020年を除けば、6シーズン連続で2ケタ勝利を達成。ヤンキースのローテーションを守り続けたのは、あらためて評価されるべき実績だ。

 ワールドシリーズ優勝最多の27回という名門では、大きな期待がかけられた選手でも、少しでも内容の悪い投球・打撃内容が続けば、地元メディアとファンからの厳しい声が飛ぶ。伊良部秀輝や井川慶が辛辣に批判された過去は、長年メジャーを見てきた日本人ファンなら記憶にあるだろう。

 その中でも田中がシーズン通じて安定した成績を残すとともに、ポストシーズンで好投を見せ、大舞台での強さを発揮したのはさすがと言える。

【次ページ】 あの黒田でも「マウンドに上がるのが怖かった」

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