森下の同僚で、ルーキーで唯一の選出となった栗林良吏（広島）もアマチュア時代に侍ジャパンを経験したことが生きている1人だ。

　高校時代は全国的に無名だったものの、名城大では早くからエース格となり3年時には森下らとともに大学日本代表として日米大学野球とユニバーシアード競技大会に出場。大学では当然先発の柱として活躍していたが、この時の代表チームではいずれの大会も中継ぎとして登板。力のある外国人打者を相手にもしっかりと結果を残し、リリーフとしての適性もあるところを証明している。

　社会人に進んだ後も侍ジャパンではないものの、JABA（日本野球連盟）選抜として1年目のオフにはアジアウインターリーグで抑えを任されて結果を残したが、大学での侍ジャパンの経験がその活躍に繋がったという点もあるはずだ。

いよいよ“大舞台”に登場する柳田

　森下や栗林のようにアマチュア時代から侍ジャパンを経験している選手がいる一方で、プロでも実績を残しながら代表チームでの大舞台に不思議と縁がない選手も存在している。今回選ばれた24人の中では柳田悠岐（ソフトバンク）が当てはまるだろう。

2014日米野球でMLBオールスター戦に出場した柳田悠岐　©Naoya Sanuki

　日米野球と欧州代表との強化試合では活躍を見せているが、あくまでどちらも親善試合であり真剣勝負の国際大会ではない。そして2015年と19年のプレミア12、17年のWBCはいずれも故障の影響で招集を見送られているのだ。

　首位打者とシーズンMVPに2回ずつ輝き、その実力は誰しもが認めるところでありながら、ここまで国際大会との巡り合わせが悪い選手も珍しいだろう。

　年齢を考えると今年の東京五輪が最後の大きな国際大会となる可能性もあるだけに、これまでの鬱憤を晴らすような活躍を期待したいところだ。

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