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【安田記念】絶対女王グランアレグリアの連覇を横山武史が阻む? 「一強」崩しが続くGIレース、“超豪華3頭”を徹底分析
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2021/06/05 17:00
大阪杯で4着に敗れたグランアレグリアだったがその後ヴィクトリアマイルで圧勝。マイル絶対女王の意地を安田記念で見せられるか
横山武史がシュネルマイスターと飛躍するか
相手の筆頭は、人馬ともに勢いのあるシュネルマイスター(牡3歳、父キングマン、美浦・手塚貴久厩舎)か。今年のNHKマイルカップの覇者で、鞍上には、新馬戦以来となる横山武史を配してきた。
外国産馬としてNHKマイルカップを勝ったのは2001年のクロフネ以来で、デビュー4戦目での勝利は12年カレンブラックヒルに並ぶ最少タイ記録。朝日杯フューチュリティステークスを制したグレナディアガーズ(3着)らを下した実力は本物だ。
横山は、先週のダービーで味わった悔しさを糧に、さらに飛躍していくはず。この馬には新馬戦で騎乗したほか、NHKマイルカップでも、その前の弥生賞ディープインパクト記念でもほかの馬に乗って戦っている。
グランアレグリアが平行線を維持しているところに、急激な右肩上がりのこの馬がどこまで迫れるか。古馬の牡馬が58kg、グランアレグリアが56kgを背負うのに対し、54kgで挑めるのも好材料だ。
東京ではコントレイルにしか負けていないサリオス
東京コースでは4戦3勝2着1回というサリオス(牡4歳、父ハーツクライ、美浦・堀宣行厩舎)も好勝負しそうだ。
東京での唯一の敗戦はダービーでコントレイルに敗れたもので、あとは完勝。新馬戦は2馬身差、サウジアラビアロイヤルカップはレコード、対古馬初戦となった昨年の毎日王冠では3馬身差で勝利をおさめている。
堀調教師によると、右トモのこなしが今ひとつで、そこのケアと、心肺機能を整えていくことが調整のテーマだったという。
右回りの阪神で行われた朝日杯フューチュリティステークスも勝っているが、左回りの東京で特に強いのは、おそらく、その右トモが外側になるほうが走りやすいからだろう。
歴史的名牝ウオッカも、GI7勝のうち6勝が東京と、左回りに良績が偏っていた。管理した角居勝彦元調教師によると、ウオッカには、右トモを捻りながら歩いたり走ったりする癖があったという。右回りコースで精彩を欠くことが多かったのは、右トモが内側に来ると深く入りすぎ、そこからエネルギーが逃げてしまったからではないかと話していた。
サリオスも、同じ理由でサウスポーになったのかもしれない。
松山弘平も今回が2戦目で手の内に入れているだろうし、一発があって不思議ではない存在だ。