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【サンクスツアー千秋楽】浅田真央が語るスケートと仲間への愛…「もう一人、お別れする大事な人」とは
posted2021/04/26 11:01
text by
浅田真央Mao Asada
photograph by
Takuya Sugiyama
いよいよサンクスツアーは千秋楽を迎えます。「ナンバー」で連載してきた「私のスケート愛」もこれで最終回となり、一冊の本にまとまることになりました。このタイトルは、自分で考えたのですが、3年前はまだスケートを外側から見ての「愛」でした。今、私は「サンクスツアーって何ですか」と聞かれると「愛です」と答えるのですが、ようやく「愛」というもののすべてが自分の体の中に入った実感があります。
桜が満開になってあっという間に散っていくのを見て、サンクスツアーが終わる寂しさも募るようになりました。少し前までは、これは終わりじゃない、と考えていたのですが。そこで今回は、3年間一緒に過ごしたキャスト一人ひとりについて触れたいと思います。
千秋楽ではエルニの涙が見られるかな
無良(崇人)っちは、サンクスファミリーの大黒柱。何があってもどっしりと構えていて、私を支えてくれました。
(川原)星は、すごく面白い子なんですが、コーチもやるようになって、大人っぽくなりましたね。
(橋本)誠也は、常に何事にも全力。リハーサルから、ひとりだけオープニングの衣装がめくれ上がるほど全力疾走しています。
エルニ(マルティネス エルネスト)は最初、写真を撮ってもあんまり笑わなかった。「笑いたくないんだ」って言って。それが途中からすごく楽しそうに笑うようになったので嬉しかったです。それに、新潟での最初の打ち上げで、みんなが感極まって泣いていた時も、エルニだけが泣かなかった。「みんな、泣くのはまだ早い。終わりまでとっておくのよ」って言ってました。だから、千秋楽ではエルニの涙が見られるかなって楽しみにしているんです。