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実は日本人も入れる? “純血主義”を貫く古豪ビルバオ「最大の強み」とスカウティング7つの理念
text by
栗田シメイShimei Kurita
photograph byAthletic Club Bilbao
posted2021/01/15 06:00
インタビューに答えてくれたチーフディレクターのアンドニ・ボンビン氏
最後に1つ、我々のクラブでプレーするには必ずしもバスク人である必要はないということを伝えておきたい。
たとえばバスク州のジュニアチームに所属したことがある、家族の都合で幼少期に暮らした経験がある、といった選手もいる。例は多くはないが、かつて監督を務めたエルネスト・バルベルデも当てはまるね。ビセンテ・リザラズ、アイメリック・ラポルトといったスペイン国外の選手も、バスクにルーツを持っていたんだ。そういった経歴があれば日本人であれ、ブラジル人であれ、アフリカ人であれこのクラブは受け入れることができる。指導者に関しても過去にはドイツ、イギリス、アルゼンチンなどからスタッフを受け入れてきた経緯がある。
大切なことは、出自や国籍ではなく、このクラブに流れるフィロソフィーを理解し、エンブレムの重みと歴史に共感してくれることだ。今シーズンは思うような時間を過ごせているとは言い難い。課題は明白でDFでのミスが多発していること。その点だけ改善出来れば上位を狙える才能が集まっていると感じている。
私自身もこの特別でユニークなクラブに所属していることを誇りに思うし、少しでも日本の皆さんに我々のことを深く知って欲しいと願っているよ。
(取材協力/ワカタケ)