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【極寒のロシアへ】齊藤未月が語るルビン・カザン移籍 決断の奥底に「湘南産」のベルマーレ愛
posted2021/01/08 11:01
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph by
Getty Images
「良いチームに移籍できて、本当によかったと思っています」
昨年のクリスマス前夜、U-23日本代表候補合宿のトレーニング後にリモートインタビューに応じてくれた齊藤未月は、自身の次なるステップをそう喜んだ。この1月に彼が湘南ベルマーレから向かうのは、ロシア・プレミアリーグのルビン・カザンだ。契約は期限付きながら、買い取りオプションが付帯されている。
聞くところによると、ポルトガル方面からも同じ頃にオファーがあったという。温暖な南欧ではなく、冬には最高気温がマイナス10度を下回ることもある酷寒の地を選んだ理由は、どこにあるのだろうか。
「(2018年W杯時にU-19日本代表として)カザンを訪れたことがあることもそうですが、(レオニド・スルツキ)監督は過去にCSKAモスクワで本田圭佑選手を指導した人です。加えて、韓国人選手(MFハン・インボン)も所属しているので、アジア人に対する理解が少しはありそうだなと思いました。あとはシンプルに、ロシアの方がレベルは高そうだな、と。それから、橋本拳人選手(FCロストフ)が同じリーグにいることも、理由のひとつです」
ドイツやイングランドでプレーするためにも
昨夏に一足先にロシアへ飛んだ橋本は、ロストフの中盤で定位置を掴み、ここまで5得点を挙げる活躍を見せていたが、奇しくも11月のルビン・カザン戦でひざを負傷し、現在は戦列を離れている。同じく中盤を持ち場とする齊藤にも、厳しい洗礼が待っていることは容易に想像できる。もっとも、何事にも臆さない彼には、それも望むところかもしれないけれど。
「その通りです」と、やはり齊藤らしい返事が戻ってきた。
「自分が最終的にプレーしたいと思っているのはドイツやイングランドですが、それを実現させる上でも、ロシアのような激しいリーグで自分の能力を出せるようにならないと。それができなければ、次には行けないと思うので、しっかり成長して、結果を残したいですね」