水沼貴史のNice Middle!BACK NUMBER
オルンガは左足の振り! 三笘薫は2歩目! 水沼貴史が惚れる“速い”2人ともっと評価されていい鉄人とは
text by
水沼貴史Takashi Mizunuma
photograph byKenichi Arai/AFLO
posted2020/12/22 11:01
史上最速の速さでJ1を制したフロンターレ。水沼氏は「中村憲剛の引退に花を添える素晴らしい優勝だったと思います」と讃えた
蛍のようになれる安部柊斗
最後に来季の注目選手を。個人的にはFC東京の安部柊斗に期待しています。というのも、今回のACLを見ていて改めて山口蛍(ヴィッセル神戸)のすごさを感じたんです。1人で守れて、1人でボールを奪いに行ける。キャプテンシーも素晴らしかったし、よく声も出していた。ボール奪取に優れ、とにかくハードワークできる安部にも山口のようなタイプになって欲しいなと思います。
安部にとっても橋本拳人が海外へ移籍したことで、アンカーのポジションを奪うチャンス。来年は新戦力と争うことになると思いますが、安部のような選手が覚醒すると、FC東京はもっと強くなるんだろうなと思います。長谷川健太監督の期待も大きいはずです。
長谷部監督の堅実なサッカーに期待
また、5年ぶりにJ1昇格するアビスパ福岡にも注目ですよ。長谷部茂利監督は昔からよく知っている間柄なんですが、彼はやはりしっかり仕事をする(笑)。性格もすごく紳士で、真面目。当然、規律は重んじているでしょうけど、選手目線にもなれる監督なので選手の心を掴むのもうまいのかなと思います。
昔、夏のトレーニングでは必ずシャツを短パンの中に入れていた。それをよくいじっていましたし、向こうも「今日もちゃんと入れてますよ」と言ってきたり(笑)。それぐらい何事もキチッとしたいタイプなんでしょう。
性格同様にサッカーもとても堅実。しっかり守備をすることがベースにあって、崩れないサッカーをします。最終節の徳島ヴォルティス戦も“ウノゼロ”。来年のJ1は4チーム降格とかなり厳しい条件ですが、戦える戦力を整えることができたら、ある程度やれそうな雰囲気はありますね。シーズン途中の補強も的確で、山岸祐也や松本泰志らをピンポイントで獲得しました。
シーズンが終わったばかりですが、来年も見所の多いJリーグになることを期待しています。
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