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大ケガからの復活 チャンピオンズカップ制覇の戸崎圭太が語る“マル秘ノート”を見返さなかったワケ

posted2020/12/11 17:00

 
大ケガからの復活 チャンピオンズカップ制覇の戸崎圭太が語る“マル秘ノート”を見返さなかったワケ<Number Web> photograph by Satoshi Hiramatsu

4度目の対決でついに王者クリソベリルに先着したチュウワウィザード

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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Satoshi Hiramatsu

 12月6日に行われたチャンピオンズC(GI、中京競馬場ダート1800メートル)を制したのはチュウワウィザード(牡5歳、栗東・大久保龍志厩舎)だった。

 単勝1.4倍で圧倒的1番人気に支持されたクリソベリル(牡4歳、栗東・音無秀孝厩舎)が4着に沈む中、抜け出した同馬は単勝13.3倍の4番人気。手綱を取ったのは戸崎圭太騎手だった。

 戸崎騎手が実戦でチュウワウィザードに乗るのは今回が2回目。初めて乗ったのは2年以上前。当時まだ1000万条件だった同馬に跨り、新潟競馬場のダート1800メートルで勝利していた。久しぶりの乗り味を、次のように語った。

「1週前追い切りに乗りました。以前よりずっと成長していると感じました」

 彼は毎レース後、騎乗馬やレースについてノートをつけている。今回はそれを見返したのか? と聞くと、それにはかぶりを振って「この馬に関しては覚えていたので、見直しませんでした」と答えた。

「クリソベリルをマーク出来る位置で競馬をしよう」

 過去の成績からは左回りがベターと思える点があるが、これについても「特別なイメージは持っていませんでした」と口を開き、更に続けた。

「乗っていてバランス的な問題を感じた事はありませんでした。だから左回りならチャンスとか、そういう考えはありませんでした。それよりも追って良いタイプなので、そういう競馬に持ち込みたいという気持ちがありました」

 そのあたりは管理する大久保龍志調教師も同意していたと言う。

「大久保先生とは調教の際も、レース当日も、どういう競馬が良いか話し合いました」

 具体的な位置取りなども相談したのかを聞くと次のように語った。

「枠順が決定する前から『出来たらクリソベリルをマーク出来る位置で競馬をしよう』と……。枠順確定後は中京だしあまり下げずに行きたいけど、前へ行きたいタイプの馬が沢山いるので、流れを見ながら臨機応変に対応していこうという事で意見が一致しました」

【次ページ】 「クリソベリルには勝てるかも、でも…」

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