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【全日本大学駅伝】“番狂わせ”の主役は…「大迫傑超え」スーパー1年生&28分台12人の順大が面白い
posted2020/10/31 17:00
text by
和田悟志Satoshi Wada
photograph by
JMPA
今年の箱根駅伝予選会で、とにかく強さが際立ったのが順天堂大学だ。
「うちのチームながら“こいつら強いな”って思いました」
普段は控えめな長門俊介駅伝監督を、そううならせる圧勝劇でトップで本大会出場を決めた。
躍進の象徴が1年生の三浦龍司だ。今年7月には大学初戦となったホクレン・ディスタンスチャレンジ千歳大会の3000m障害で、いきなり日本歴代2位、37年ぶりのU20日本記録、41年ぶりの日本学生記録を打ち立てた。
予選会はこれまで苦手意識を持っていたロードだったが、スーパールーキーはここでも快走を披露した。初めてのハーフマラソンで1時間1分41秒と、男子マラソン日本記録保持者の大迫傑が保持していたU20日本最高記録を6秒上回ったのだ。
平均1時間2分21秒……驚きの合計タイム
そんな黄金ルーキー三浦ばかりが話題を集めるが、順大の総合力にも目を見張るものがある。
予選会は、ハーフマラソンを12人が走り上位10人の合計タイムで競われるが、順大の10人の合計タイムは10時間23分34秒。平均タイムに換算すると1時間2分21秒となる。
この1時間2分21秒という上位10名の平均タイムを2019年度の大学生ランナーのランキングに当てはめると、留学生を含めても22位に相当するのだから驚異的だ。
「(箱根駅伝の)シード校が走っても、うちと同じくらいのタイムになるんじゃないでしょうか」
長門監督はそう謙遜するが、はたしてそうだろうか。好記録の選手の力量以外の要因は、シューズ等のギアの進化、フラットなコース、気象条件等が挙げられるが、このレベルのランナーを10人そろえるのは決して簡単なことではない。
予選会の距離が20kmからハーフマラソン(21.0975km)に変更された2年前には、トップ通過の駒大が10時間29分58秒と、平均タイムで1時間3分を切るタイムを叩き出した。その記録を6分24秒も上回るチームがこんなに早く現れようとは、2年前には全く思いもよらなかった。