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フィギュア日本女子11~13歳、「黄金世代」の衝撃 3アクセルや4回転、天才少女が続々と
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byNobuaki Tanaka
posted2020/11/01 11:04
ノービスA1年目にして歴代最高の108.42点で優勝した島田麻央。トリプルアクセルは転倒したが、3回転ルッツ-3回転トウループ-2回転トウループの3連続ジャンプを含め残りのジャンプはすべて成功させた。
日本初の「アカデミー」、チーム体制で指導
5位の大門桜子は演技派の12歳。バレエとスケートを4歳から始め、滑りの伸びやかさが印象的だ。
「宮原知子選手とアリョーナ・コストルナヤ選手に憧れています。アカデミーは皆がライバルで、もっと頑張ろうと思える存在が近くにいることが良いです」
そもそもこの『木下アカデミー』とは、今年4月に発足した選手育成組織だ。大阪と京都のリンクを拠点に、木下グループが資金援助をして運営している。
4回転を跳ぶ女子を量産しているモスクワの『サンボ70』や、羽生結弦の拠点であるトロントの『クリケットクラブ』のように、整った施設と豊富なコーチ陣で、国際競争力を育てていくチームを目指すという。
日本では1人のコーチだけに師事する門下生制度が伝統的だったが、初めて「アカデミー」という名のもとチーム体制で指導する拠点が出来たことになる。
ロシア女子を意識している
指導体制は、ゼネラルマネージャーに濱田、ヘッドコーチとして田村岳斗、さらに佐藤洸彬、村元小月など若手コーチも加わった。
またゲストコーチとして、羽生のジャンプコーチであるジスラン・ブリアンや、宇野昌磨の師であるステファン・ランビエルも名を連ねており、夢のチーム。施設内で筋力トレーニングやバレエレッスンなども行うことが出来る。
ロシア女子を意識しているのかと聞くと、濱田は「はい、もちろんです。はい」と即答した。
「木下アカデミーの子達は、皆が凄く切磋琢磨して練習しています。コロナ禍で試合が無かったけれど、自分達のリンクで月に1回は、試合形式で演技をする機会も設定してシーズンに備えてきました。
空いているリンクで、少人数で基礎のスケーティングをする時間が取れるようになったことが良いですね。スケートが滑るようになったことで、ジャンプに良い影響が出ています」