“何か”が足りない大型左腕2人の挑戦

　大型左腕として注目されながら「何か」が足りない――そんな葛藤を抱えながらもルートインBCリーグでジャンプアップを期する選手が2人いる。

　オセアン滋賀ブラックスの大村涼兼は、地元滋賀県出身である。北大津高校から佛教大に進んだ。佛教大卒の大型左腕と言えば、今を時めく中日、大野雄大がいる。

「お会いしたことないのですが、あこがれです。大学生の時の顧問が大野さんも指導されていた人で、タイプも似ているし（大学時代は）同じ背番号なので意識していました。顧問からは大野さんが大学時代にどんな練習をしておられたかを聞いて、取り入れたりしていました」

　高校時代は現・阪神の植田海がいる近江高校と滋賀県大会の決勝で当たり、0－4で負けて甲子園に行けなかった。ただし植田を抑えたことは自信になっている。

「近江打線は強力でしたが、春の県大会では1安打完封しました。でも夏は少し調子を落として打たれてしまいました」

「まだあきらめていません」

　佛教大学でも先発投手として活躍するが、卒業時にはドラフト指名されることはなかった。それでも体格は189cm89kgの超大型タイプで、目の前で見ると迫力がある。スリークオーターで速球は最速146km/h。スライダー、フォーク、チェンジアップを投げられる。

「何が足りないのか、とずっと思っています。去年滋賀に入団しましたが、怪我をして出遅れました。でもシーズン後半に調子が上がって成績を残すことができました。成本年秀監督からは“両サイドの厳しいエリアに攻めきれないと”と言われています。

　本当は昨年限りでやめるつもりでしたが、怪我もしたし、後半から成績も上がってきたのでもう1年、と思いました。まだあきらめていません」

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