行木「NPBに行くために徳島に来た」

　戸田とは対照的に、183cm75kgの恵まれた体で目立つのが行木（なみき）俊だ。彼は「NPBに行くために徳島に来た」とはっきり言う。

「千葉の横芝敬愛高校出身です。卒業時にはプロ志望届を出しましたが声がかかりませんでした。でもどうしてもNPBに行きたいと思って徳島に来ました。高校の先輩の伊藤翔さん（2017年西武3位）と鎌田光津希さん（2018年ロッテ育成1位）が徳島からNPBに行ったんです。僕も、と思いました」

　しかし1年目の昨年は、肩の故障に悩まされた。ほとんどリハビリだけで終わってしまった。

「実は高校3年の春に怪我をして、夏も注射を打って投げていたんです。力が入らなかったんですね。でも1年リハビリをしたことで投げられるようになりました。葛藤はすごくありました」

“インコースを使って投げろ”と

　速球は最速150km/h、投げおろすタイプででカーブ、スライダーにも自信がある。

「出だしはやや悪かったのですが、ここへきて調子が上がってきました。四国ILは例年なら9月で終わるのですが、今年は10月に入っても試合がありますので、調子がよくなってからスカウトの方に見てもらうことができました。吉田篤史監督には“インコースを使って投げろ”と言われています。制球力にはある程度自信があるので、打たせて取る投手になりたいです」
 
　これまで縁もゆかりもなかった徳島の地。2年間の生活は苦しかったのだという。
 
「独立リーグの給料では生活できないので、親の仕送りに頼りました。自炊もしましたが、迷惑もかけているので、なんとかNPBに行きたい。ドラフトにかからなかった時のことは今は考えられないですね」

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