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【日本ハム ドラフト1位】道産子“大卒”で史上初のドラ1 「タコ漁師の息子」苫小牧駒澤大・伊藤大海の“さみしさ”

posted2020/10/26 17:45

 
【日本ハム ドラフト1位】道産子“大卒”で史上初のドラ1 「タコ漁師の息子」苫小牧駒澤大・伊藤大海の“さみしさ”<Number Web>

ドラフトの有力候補、苫小牧駒澤大・伊藤大海投手(4年・右投左打)

text by

安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

PROFILE

日本ハムからドラフト1位指名された伊藤大海選手。その素質がわかる過去の記事を、今回特別に再公開します。(初出:NumberWeb 2020年9月28日)

 生まれも育ちも北海道……正真正銘の「道産子」がドラフト1位で指名されるとすれば、いったい、誰以来のことになるのか。

 苫小牧駒澤大・伊藤大海投手(4年・176cm81kg・右投左打)は、果たして「最後の秋」を飾れるのか。

よくある“野球部挨拶”じゃなかった

 リーグ優勝を賭けた最終週のマウンドに、伊藤大海が上がった。

 前の試合の最中、ネット裏スタンドの離れた場所からこちらを見つけて、帽子をとって挨拶を投げてくれた顔が、なんだかスッキリとして、「わるいもの」が抜けたように見えていた。

 あと1時間足らずで、マウンドに上がるのだから、集中しているはずだ。声をかけるのは遠慮していたら、彼のほうから来てくれて、「先日はわざわざ遠くまでありがとうございました」。

 よくある“野球部挨拶”じゃなかった。 じつは4日前、雑誌『ホームラン』の取材で、私は苫小牧のグラウンドにおじゃましていた。

「飛び道具」はカットボールとスライダー

 立ち上がりから、当たり前のように「150キロ台」が続いて、初回はそれで圧倒して「力勝負」の印象を相手打線に焼きつけておいて、2回からは、速球を140キロ後半に出力目盛りを下げて、その代わりに「飛び道具」を交えてきた。

 137、8キロがカットボールで、127、8キロがタテのスライダー。

「カットやスライダーも、まっすぐと同じパワーで腕を振ってるので、僕の中に、特に“変化球”って意識はないんです」

 そんな話をしてくれたのを思い出す。

 打者からすれば150キロ前後の速球には手が出ないし、130キロ近いタテのスライダーも、動くせいでおそらくものすごく速く見えているのだろう。みるみるうちに、三振の山が築かれて、4回が終わって、アウト12のうち9奪三振。外野に飛んだのは、間を抜けたシングルヒット1本だ。

【次ページ】 なぜナックルカーブを本番で使わないか

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#苫小牧駒澤大学

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