涙の始球式「心の170kmは出せた」野球芸人ティモンディが語る上甲野球100カ条と池袋のマクドナルド

「目標の球速は何kmですか？」「はい！目標は170kmです」

　スタジアムDJの問いに笑顔でそう宣言した。

　10月4日ヤクルトvs.広島戦の始球式。お笑いコンビ・ティモンディのボケ担当、高岸宏行はマウンドに上がる前から感極まっていた。ちなみにこの日はヤクルトのキャンプ地である愛媛県松山市との交流を深める「松山DAY」と銘打たれた試合。同市にある済美高校の野球部出身という縁での大役だった。

「緊張はありません、でも涙は我慢できませんでした。ボールを持つ者に視線が集中する、その視線がエールと言いますか。もちろんプロの選手たちを応援しにきたお客さんなのはわかっていますよ。でも、パワーをいただいたんです。この環境で毎日プレーするプロ野球選手はあらためてすごい！」

　憧れていたプロ野球の舞台。選手、観客に囲まれて少し浮き足立った。キャッチャーを務めた相方・前田裕太は少し辛口に振り返る。

「ヘロヘロボール。1時間前ぐらいから球場入りさせてもらって、ブルペンではめちゃくちゃいい球を投げていたんですよ。せっかくご指名いただいたので、芸能界最速を狙うぞ！と意気込んだのですが……」

芸能人最速は間宮祥太朗の139km

　涙のせいなのか、記録は138km。プロのスカウトにも注目された高校時代はMAX147km。2年前に150kmを、昨年11月のジャイアンツ・ファン・フェスタでは軟式ボールながら149kmをマークしたことからすれば確かに物足りない。大谷翔平もびっくりの「170km宣言」はおろか、俳優・間宮祥太朗が昨年の7月の始球式（甲子園）で記録した芸能人最速の139kmにも届かなかった。

　それでも“マンキン”の笑顔で振り返る。

「心の170kmは出せたと思います！」

感極まる高岸に、キャッチャーを務めた前田も涙ぐんでいた

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