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「野村ノート」で昌平が躍進 “孫弟子”にも継承される準備野球、初の甲子園切符なるか

posted2020/10/22 17:01

 
「野村ノート」で昌平が躍進 “孫弟子”にも継承される準備野球、初の甲子園切符なるか<Number Web> photograph by Yu Takagi

センバツ出場を左右する関東大会出場が決まり、喜ぶ昌平ナインと黒坂監督(左)

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高木遊

高木遊Yu Takagi

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「嬉しさを通り越してビックリです。選手たちの成長に惚れ惚れします」

 秋季埼玉大会の準決勝で春日部共栄に3-1で競り勝ち、創部初となる秋季関東大会進出(春は1回)を決めた昌平(しょうへい)高校の黒坂洋介監督は目を細めた。さらに決勝戦でも花咲徳栄高校を相手に金星を挙げるなどして勢いに乗る細田学園高校を6-5で倒し、初めて埼玉の頂点に立った。

 同校は埼玉県杉戸町にある私立校。サッカー部が5年連続でJリーガーを輩出し、2018年には全国高校総体4強。ラグビー部も花園初出場を3年前に決めた。近年は進学実績も右肩上がりで、文武両面で成長を続けている。

17年夏に就任、その前は一般企業に勤務

 そんな機運の中で、硬式野球部の監督に白羽の矢が立ったのがOBの黒坂監督だ。

 前身の東和大昌平高校時代にも監督を務めたことがあり、2017年の夏に再就任した。前身校時代は「僕が胸ぐらを掴まれたこともあった」と言うほどヤンチャな選手たちに手を焼いたこともあったが、今の部員にそんな選手たちは皆無。また、自身も「あの頃は“監督とはこういうものだ”というものがあって威厳を保とうとしていた」と振り返るが、再就任までの間に一般企業で働き、子育てに時間を十分に充てることができて指導観も大きく変わった。

「息子の少年野球のコーチもしていたので“楽しさを教える”という原点を教えてもらいました」と、再就任後は選手との接し方もくだける時と厳しくする時のメリハリをつけることや、野球の奥深さを教えることに重点を置いてきた。

【次ページ】 指導のルーツはシダックス時代の野村克也

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