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<菊花賞>初の父子牡馬3冠なるか コントレイル、“偉大な父”ディープインパクト超えへ不安は?
posted2020/10/20 17:03
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Keiji Ishikawa
日本の競馬史が、今週もまた書き換えられるのか――。
いよいよ今週末、史上3頭目となる無敗の三冠制覇を狙うコントレイル(牡3歳、父ディープインパクト、栗東・矢作芳人厩舎)が第81回菊花賞(10月25日、京都芝外回り3000m、3歳GI)に出走する。
先週、史上初の「無敗の牝馬三冠制覇」を達成したデアリングタクトに次ぐ、2週連続での歴史的快挙が期待されている。
“3歳の夏”は難しい
コントレイルは、日本ダービー以来4カ月ぶりとなった秋初戦の神戸新聞杯で、単勝1・1倍の圧倒的1番人気の支持に応えて完勝。戦績を6戦全勝とした。
道中ずっと他馬に囲まれながらも、直線で鋭く抜け出したレースは楽勝に見えたが、陣営は楽観視していなかった。
圧倒的な強さで1994年の三冠を制したナリタブライアンでさえ、秋初戦では敗戦を喫した。夏を過ごした北海道が異常な暑さだったことが響いたようだ。
また、ディープインパクトを担当していた市川明彦厩務員が、ディープのキャリア14戦のうち、レース後に感極まって涙を流したレースが神戸新聞杯だった。
それらのエピソードが示すように、3歳の夏を無事に過ごすことは非常に難しいと言われている。
「人間より賢いと思うこともある」
コントレイルは、ダービーを勝ったあと、鳥取の大山ヒルズに放牧に出され、秋に向けて調整されていた。大山ヒルズの齋藤慎ゼネラルマネージャーによると、以前より背が伸びて、体に幅が出てきたように感じたが、馬体重に変化はなかったという。
管理する矢作芳人調教師も同様に、外見上の変化は少しトモに幅が出たくらいだが、筋肉の質がよくなっていることを感じると話していた。