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グランアレグリアはますます強くなる あの名牝を大スランプから完全復活させた藤沢師の技
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2020/10/09 19:00
06年、米GIIIキャッシュコールマイルを制した直後のダンスインザムード。鞍上はのちに米殿堂入りの名手のV・エスピノーザだった
大敗を繰り返すスランプが襲った
オークスで4着となり、初めて黒星を喫した彼女は、その後、苦戦を続ける。オークス後には果敢にアメリカへ遠征。ハリウッドパーク競馬場で行われたアメリカンオークス(GI)に挑戦したがここは惜敗の2着。帰国後は休み明けのぶっつけで秋華賞(GI)に挑むと、1番人気に推されながらも4着に敗れてしまう。
それでもその後は古馬の牡馬を相手に天皇賞(秋)(GI)、マイルチャンピオンシップ(GI)と連続で2着に好走。勝ちこそしなかったものの、3歳牝馬ながら大善戦をしてみせた。
ところがこの後、彼女はスランプに陥る。香港へ遠征して挑戦した香港カップ(GI)で13着に大負けすると、その後、安田記念(GI)で最下位18着、札幌記念(GII)で12着など、大敗を繰り返した。
調子を崩した牝馬が完全復活するまで
牝馬は一度調子を崩すと復活させるのは難しいというが、伯楽はこの難題に挑んだ。札幌記念で大敗した後、府中牝馬S(GIII)で思い切って後方から末脚を伸ばす競馬をさせると、続く天皇賞(秋)では3着と復調気配。更に続くマイルチャンピオンシップも4着。約5カ月ぶりとなったマイラーズC(GII)では当時のナンバー1マイラー・ダイワメジャーにこそ敗れたものの2着に善戦。その後、ヴィクトリアマイル(GI)を優勝し、完全復活を果たしてみせた。
その後は2年ぶりにハリウッドパーク競馬場に遠征。キャッシュコールマイル(GIII)に挑むと、2年前には2着に惜敗したこの舞台で、今度は見事に先頭でゴールを駆け抜けて見せた。