Jをめぐる冒険BACK NUMBER
室屋成が去った右SB争いが熱い! FC東京“ふたりの中村”帆高&拓海、好対照な好敵手
posted2020/10/08 19:00
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
Getty Images/J.LEAGUE
移籍を決断した理由のひとつに「若い選手の台頭」を挙げた室屋成がドイツに旅立って約2カ月――。後を託された男たちが、先輩の言葉に嘘がなかったことを証明している。
明治大から今季加入した23歳の中村帆高と、東福岡高から昨季加入した19歳の中村拓海。
“ふたりの中村”がFC東京の右サイドバックの座を巡り、熱い戦いを繰り広げているのだ。
大卒ルーキーの帆高は、今年2月に行われた清水エスパルスとの1節で、本職とは異なる左サイドバックながら、開幕スタメンの座を射止めた。
帆高「守備の強さには絶対の自信が」
そんな帆高の特長は守備力だ。鋭いアプローチで相手との間合いを詰めてボールを刈り取る。そこで奪い取れなかったとしても、粘り強く対応し、身体を投げ出してでも守り抜く。
「DFとして、守備の強さには絶対の自信を持っています。それはプロの世界でも通用すると感じていて。出場したら失点ゼロに貢献することが自分の仕事だと思っているし、出さないといけない強みだと思っています」
かつて日本代表監督を務めたヴァイッド・ハリルホジッチが「Jリーグはプレスの強度が弱い」と苦言を呈したことがあったが、帆高に関しては、そんな批判とは無縁だ。
10月7日に行われた川崎フロンターレとのルヴァンカップ準決勝ではベンチスタートだった。しかし、売り出し中のドリブラー・三笘薫が途中から出てくると、長谷川健太監督は図ったように帆高をピッチに送り出し、マークに当てた。その采配に指揮官からの厚い信頼が感じられた。