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遠藤保仁が磐田でいきなり浴びた「おぉーっ!」 思い出す「中村俊輔獲得」で躍進の2017年 

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望月文夫

望月文夫Fumio Mochizuki

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photograph byKyodo News

posted2020/10/07 20:01

遠藤保仁が磐田でいきなり浴びた「おぉーっ!」 思い出す「中村俊輔獲得」で躍進の2017年<Number Web> photograph by Kyodo News

磐田へ期限付き移籍し、オンライン取材に応じた遠藤。新天地で懸かる期待は大きい

ゲームコントロールの課題、セットプレー

 日本代表歴代最多出場を誇る大ベテランの獲得について、磐田の鈴木秀人強化部長はこう説明した。

「今季前半の戦いの中でゲームコントロールに課題があった。そのコントロールができる選手の獲得を検討していた。先制点をとった後、追加点が欲しい状況でのセットプレーというところも含めて、その適任が遠藤選手だった」

 新天地での試合出場の機会を求めていた遠藤も「(移籍先の候補は)ジュビロ1本だった」とし、「チャンスを逃したくなかった」と合意に達した経緯を明かした。

中村俊輔獲得で6位へ浮上した2017年

 超ビッグネームの移籍劇で思い出すのは、2017年シーズンに加入した元日本代表MF中村俊輔(現・横浜FC)だ。前年に3季ぶりに復帰したJ1で13位に終わった磐田は、上位進出を目指して当時の名波浩監督が直接乗り出して中村の獲得にこぎつけた。中村は期待に応えて30試合で5得点を挙げ、セットプレーのキッカーとしても多くのゴールに貢献し、2017年シーズンの磐田は一気にリーグ6位へと躍進した。

 ところがケガなどで中村の出場が激減した翌年は、終盤戦で失速し、J1参入プレーオフで東京Vを破ってどうにか残留を決めた。前年との大きな違いとして多く聞かれたのは、中村が担ってきたゲームをコントロールする選手の不在、さらに言えば試合をけん引するリーダーを欠いていたことだった。

 遠藤自身もピッチの内外でチームから求められる役回りは理解しているようだ。

「クラブから期待されていることは十分わかっているので、良い手本になるようなプレーをしたいなと思いますし、プレー以外でも若手の見本となるような行動、時には楽しくコミュニケーションを取っていければと思います。自分が一番得意としているゲームを作ったり、ゲームを落ち着かせたり、あとは試合の流れを読みながらゲームを進めていくところは、ジュビロでも発揮したいなと思っています」

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